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二百一話 みんなで庵々に来た④
「それは残念。ところで君、とても可愛いね」
マイクが今度は夕さんに言った。
「可愛いだなんて、そんなことありませんよ」
夕さんが慣れた様子で断る。お客さんによく言われるのだろうか。
「ほう謙遜とは。そういう奥ゆかしいところも可愛いね」
だがマイクはめげない。
「そんな、恥ずかしいです」
この追撃には慣れないのか夕さんは顔を赤くした。
「その恥ずかしがるのまた、あうっ」
さらに追撃を仕掛けるマイクの首に手刀が飛んだ。
「いい加減にしろ、そいつが嫌がってるだろ!」
手刀を打ったりんごが怒る。
「いやー、満更でもなかったと思うけどね」
マイクは悪びれる様子がない。
「そういう問題ではないと思いますが………」
シャロンが苦い顔で言う。
「こいつ、新井とかいう変態より変態ね」
「だな」
俺はアリエに同意した。




