百九十五話 そして清はカフェダムールから距離を置く
俺は店に戻ったすももさんから報告を受けた。
「そういうことですか、てっきり清さんは本当にアブノーマルな人かと思いましたよ」
「あんな言い方するんだもの、勘違いもするわ」
アリエが言う。
「おい」
「あ」
今度は俺がアリエをたしなめた。
「あんな言い方て?」
案の定すももに感づかれた。
「ああ、たまたま二人だけの時あいつに会ったのよ。その時にその夕て女のことも言ってたのよ」
「ふーん。じゃあ清ちゃんが夕ちゃんの店に行ってることも知ってたんだ」
「先に教えとけば良かったかしら」
「いや、あの女がその店に入るの見えたから結果オーライだよ」
りんごが言う。
「それで、彼女はこの店に来るのかい?」
マイクが言う。
「たまに来るって言ってた」
「たまにか、それはレア度が増していいねぇ」
マイクが髪をかきあげながらニヤつく。
「お前さん、あの人を狙うのかよ」
新井が言う。
「美人はレア度が高い人ほどいい、それだけさ」
「お姉さんが減らなくて良かったですね」
シャロンがアリエに言う。
「どういう意味よ」
「アリエさん、なんだかんだで清さんに可愛がられてましたから。来なくなったら寂しいんじゃないかと思って」
「別に寂しくはなんかないし、あとお姉さんでもないわよ」
アリエが強めに否定した。
これで店の常連が一人減ってしまったか。もう来ないことはないが頻度が下がるのは残念だ。




