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百九十二話 浮気中の清を調査せよ
「こうしちゃいられない、行くよりんご」
「ああ」
すももさんとりんごが店を出る。
「なにもそこまでしなくても………て店どうするんですか!店!」
俺は叫んだが二人がいなくなった後だった。ま、シャロンがいるし大丈夫か。
★★★★★★★★★★★
「あ、あれ!」
すももが指さす。そこには清が和風の建物に入る姿があった。
「甘処庵々?」
りんごが店の看板を見た。
二人は店の扉のガラスからそっと中を覗いた。
「今までごめんね夕ちゃん、これからはちゃんと夕ちゃんのことだけ見てるから」
清が夕に謝る。
「それはもういいですよ。ちゃんとわたしのこと見てくれるって分かりましたから」
夕が言う。
「まさか喫茶店じゃなくて日本の甘処にいたなんて。やっぱり洋風より和風のが好みなんだね………」
すももは拳を硬め悔し涙を流した。
「というかただ友達と会話してるようにしか見えないんだが………」
りんごが冷静に分析する。




