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百六十七話 たまには喫茶店以外の店も④
『清さん!?』
「あなた達!」
その相手はカフェダムールの常連の清さんだった。
「えっと…………どうしてここに?」
清さんが困惑気味に聞いてきた。
「いやこっちのセリフですよ。たまには喫茶店以外の店に行ってみようとしただけですよ。清さんこそなんでここに」
俺はたまらず言い返した。
「あ、いや別にすももちゃんが嫌いになったわけじゃないのよ?わたしもたまにはコーヒーじゃなくてお茶が飲みたいなーて思っただけっていうか………」
清さんがしどろもどろになる。すももさんが嫌いになったのかとは一言も言ってないが勝手に言い出した。
「え、清さんコーヒー飲むんですか?!」
店長の孫娘が反応する。
「いや、飲むっていうか、友達の家だからたまに遊びに行ってるてとこかしら………。別にこの店が嫌になったってわけじゃないわよ?」
今度はこの店に気を使い始めた。
「結局あいつってどっちの常連なのよ」
「だよな。右行ったり左行ったりでどっちなんだて感じだよ」
俺はアリエに同意した。




