百五十八話 気取った金髪の少年客
「グッモーニン、エブリバディ」
「あ、いらっしゃいませ」
その客は奇妙な挨拶と共に現れた。この店で外国人ぽい見た目のやつなんてシャロンか星宝姉妹かくらいだ。
そしてこの客はカフェダムール第三の金髪、そして第三の少年!二人の少年は俺と新井だが若い男なんて俺たち以外滅多に来ない、貴重な客だ。
「ここのブレンドをもらえるかな」
席を案内すると彼は気取った声で言った。髪をかきあげる動作がちびまる子ちゃんにいそうである。
「かしこまりました。絹江さん、ブレンド一つ入ります」
俺は絹江さんに注文を伝える。
「聞いてるよ、あたしはやらないけど」
「あいよ」
俺はコーヒーを淹れていく。
「ねえねえ、あの人綺麗だよね。どこから来たんだろう」
すももさんが駆け寄ってきて言う。早くも謎のイケメンに興味津々か。
「英語喋ってたからイギリスか、もしくはアメリカだな」
りんごが答える。
「いえ、日本語を使っていたので日本の方ですね」
シャロンが否定した。
「いや、どっちだよ」
俺は二つの意見が現れて困惑した。
「じゃあ聞いてみようよ!」
すももさんが彼に近づく。
彼は先ほどから周囲の臭いを嗅ぐような動作をして酔いしれている。この店にそんな臭いあったか?