百五十六話 山登りの後のメイド喫茶スター
カフェダムールの扉を閉めた俺たちはメイド喫茶スターに来た。
「たく、なんなのよあいつー。ほんとムカつくー」
アリエがモンブランを食べながら言う。
「まったくだな、看板娘がなに企んでんだか」
俺はパフェを食べながら言った。
「そうよ、人前で男とイチャつくなんてなに考えてるのよ」
アリアさんがイチゴのショートケーキを食べながら言った。
「俺とアリエもたまにやるけどあれはないっつうの」
俺は怨嗟を吐いた。
「でも、あの軽薄男とくっつくなんて思いもしなかったわ」
「あの人、名前なんて言ったかしら」
「新井、新井一希ですよ」
俺はアリアさんに教えた。
「新井一希、あなたの知り合いだったわね」
「女好きの変態ですけどね」
「その変態とあの人がくっつくなんてちょっと驚いたわ」
「それな、そんな雰囲気今まであったかっつうの」
「まあでも、これですももがあなたに付きまとう可能性はなくなったわね」
アリアさんが言う。
「だといいですがね」
すももさんが俺から離れれば俺の気も楽になるか。
俺たちはそんな風に人の男女の振る舞いを語っていた。




