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百五十話 春ののどかな日
春ののどかな日、それは学校もバイトもない天候だけでなく時間があるという意味でものどかだった。
こんな日はピクニックでもするが似合うな。のどかな自然と一人で戯れるがいい。
一人で………………………?!俺は後ろを振り返った、ここはバスの中なのだが後ろの席に星宝姉妹がいたのだ。
「なんでいんの?」
俺は二人に聞いた。
「一人でどの行こうって言うのよ、彼女のあたしを放っていくとかいい度胸ね」
アリエが怒って言う。
「たまにはそういう時もあるんだよ。てかなんでアリアさんまでいるんですか」
「男の子が一人で行く場所なんて気になるじゃないていうのは冗談でアリエを一人で行かすのが不安なだけよ」
アリアさんが目を輝かせた。
「さいですか」
後半の言葉に俺は思わず笑ってしまった。
「どこまで行くつもり?」
アリエが聞いてくる。
「ちょっと街外れまでな」
バスは長い間走っていた。景色にも緑が増えていく。畑や田んぼが増えまさにのどかな風景と言える。
山も見え始めた。俺はその山でバスを停車させる。




