百四十七話 清のバレンタイン
「こんにちはー」
「いらっしゃい清さん」
「いらっしゃいませー」
「あら清」
清さんが現れアリアさんが出迎えた。
「あら、それはなにかしら?」
清さんがアリアさんのチョコに目を向ける。
「チョコよ、食べる?」
「ありがとう、嬉しいわ」
清さんがお礼を言ってチョコを受け取る。
「ならわたしもお返しに………」
清さんが巾着袋に手を突っ込むと緑のチョコが出てきた。
「抹茶チョコ作ってきたの、食べてくれるかしら 」
「ありがとう、いただくわ」
アリアさんが抹茶チョコを受け取って食べる。
「あ、おいしい」
アリアさんが声を上げる。
「葉月くんとアリエちゃんも食べる?」
「どうも」
「もらうわ」
俺たちも抹茶チョコをもらう。
「変わった味だな」
「褒めてあげるわ」
口に入れると普通のチョコと違い苦味の方が勝った。抹茶の名の通り緑茶のような風味だ。
和装の清さんだからこそこういうチョコを作るのだろう。普通のチョコを食べ続けた中でこういうのはありかもしれない。
「シャロンちゃんもどうぞ」
「ありがとうございます」
シャロンも抹茶チョコを受け取る。