表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十四章 冬編
146/594

百四十五話 アリエのバレンタイン


「ちょっとー、愛しの彼女が来てあげたのにそんなしないでよー」


アリエが俺を見て不機嫌になった。


「わりぃ」


「なんかあったの?」


俺が暗い顔をしてたのか心配されてしまった。


「いや、好きでもない人からチョコ寄越されるていい気分じゃないなって」


「好きでもないって、あー、あいつ」


アリエはすぐに察したようだ。


「そんなのいいから、あたしのチョコ食べなさいよ」


アリエが星型のチョコを渡してくる。ラッピングは黄色と銀のボーダーだ。星宝アリエだけに星と言ったところか。


「ああ」


文脈は分からないが貰っておこう。ラッピングを解いて口に入れる。


「あまずっぺぇ」


ほのかな苦味と酸っぱさがあった。


「あたしそんな味付けしてないわよ」


「わりぃ、舌が歪んだ」


「ちょっと貸しなさい!」


「おい」


アリエは無理矢理俺からチョコを奪い取った。するとカウンターから砂糖を乗せたりミルクをかけたりした。


「ん」


再度俺に渡してきた。


「ああ」


再びパクっとする。


「ん」


今度は甘酸っぱさではなく甘みと苦みが来た。まろやかな甘い香りが強いシュガーチョコレートだ。


「どう?あたしもやるでしょ」


アリエが腰に手を当て勝ち誇る。


「ああ、最高のバレンタインだ」


俺は親指を立てて返す。別にデパートにあるような高級チョコレートじゃない、けどこれは俺にとって最高のチョコレートだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ