百三十二話 クリスマスのチラシを作ろう(葉月のアイデア)
というわけでみんなでクリスマスのチラシ作りだ。新聞の折り込みチラシの裏を使ってアイデアを書いていく。
「よし、できた」
俺はペンを置く。
「速い」
すももさんが驚く。
チラシの文面は「ようこそみなさん、聖夜のカフェダムールへ。さあ、お楽しみくださいフハハハハ!」となっていてコウモリっぽい絵も描いてみた。
「えっと………これはやめた方がいいんじゃないかな」
すももさんが否定的な意見を言った。
「なんだよ、このチラシの何の文句があんだよ」
俺はすももさんに噛みついた。
「ああ、見たやつ全員引くな」
りんごまでそんなことを言ってきた。
「お前まで、なんでみんな俺のセンスがわからないかなー」
俺は不満に口を尖らせた。
「わたしはいいと思いますよ、個性的で素晴らしいです!」
シャロンが賛同の声を上げてくれた。
俺は思わずシャロンの手を取った。
「シャロン………お前ってやつは………泣かすぜ」
俺の美学を分かってくれるやつがいるなんて、感動だぜ。
「ちょっとシャローン、ほんとにこんなのがいいの?」
「中二要素入ってんだぞ」
すももさんとりんごがまた俺のアイデアを否定する。
「中二とはひどいな」
「あんな芝居がかった台詞、どう見ても中二だろ」
「芝居がかったはともかく中二はなくね?」
「中二?かはともかくわたしは気に入ってますよ」
俺がりんごと争っているとまたりんごが肯定してくれた。
「しゃっ!ほらシャロンもこう言ってんだからさ、問題ないよ」
俺はガッツポーズを取って言った。