百二十三話 綱引きの準備
俺のチームの番が来て戦いのために立ち上がった。
「絹江や、わたしの足を引っ張るんじゃないよ」
祥子さんが絹江さんを睨み言う。このタイミングで仲間同士でいがみ合うのか。
「ふっ、あんたこそ途中で倒れたら承知しないよ」
絹江さんも睨み返す。バチバチと弾ける火花、だからなぜ味方同士で争うような雰囲気が出てるんだ。
「あんたらは新人だ、あまり無理はするんじゃないよ」
絹江さんが俺たちに言う。
「はあ………」
「大丈夫大丈夫!わたし達もみんなと一緒に練習したもん」
すももさんが力強く言う。
「ふん」
りんごは問題ないという風に鼻を鳴らした。
「頑張ります!」
シャロンも拳を握る。
アリエは少し不安そうな顔をしていた。
「大丈夫だアリエ、俺も正直不安だからな!不安同士頑張ろぜ!」
俺はアリエに力強く言った。
「え、あんたも不安なの………」
あ、やばい、ただでさえ暗いアリエの顔がさらに暗くなった。言葉のチョイスを間違えたかぁ………。
「ちょっとあなた、自分の彼女に自分も不安とか何言ってんのよ。デリカシーないわね」
「すいません………」
アリアさんに怒られてしまった。
「大丈夫よアリエ、いざとなったらあなたのことはわたしが守ってあげるわ」
今度はアリアさんが優しくアリエに言った。
「お姉ちゃん………」
アリエの目が輝いた。くそ、俺にはアリエを元気にできなかった。アリアさん、あとは任せた………。
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