表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十三章 町内運動会
119/594

百十八話 じゃんけんは運のゲーム?



跳び箱の練習の後はじゃんけんの練習だ。だが気になることがあってりんごに聞いた。


「じゃんけんて練習出来るのか?」


じゃんけんは基本的に運が勝敗になるゲームだと思う。三すくみであるが相手が何を出すかわからない以上運のゲームであるはず。


「なるんじゃないか?」


返ってきたのはかなりあやふやな答えだった。


「おい、そんなんでいいのか」


教えるのに練習になるかどうかあやふやなんてどうかしている。


「じゃんけんなんてぶっちゃけ運だからな、練習してどうにかなるわけないだろ」


「あの、それではなぜ練習するのでしょう?」


あまりのぶっちゃけようにシャロンが戸惑ってしまった。


「だがな、練習しないより練習した方がはるかにマシだろう!」


なぜか溜めまで作ってすごい強気で言い返してきた。


「そこまで言うなら根拠があんだろうな、根拠」


俺は低めの声で言った。


「そんなものない、いいからやるぞ」


「ええ………」


強引に押してきた。


「はっ、まさかすももだけじゃなくてあんたまで馬鹿だとは思わなかったわ」


アリエが手を肩の横に広げてりんごを馬鹿にした。


「どういう意味だ」


馬鹿にされて怒ったりんごがアリエを睨む。


「じゃんけんは運のゲームじゃないって話よ」


アリエが俺やりんごの考えていたことを否定した。


「え、どういうこと?」


アリエの言葉がわかってないのかりんごは珍しく間の抜けた声を出した。


「言ってもわからないようだから実践しましょうか」


アリエは実践、つまりこの場でじゃんけんをしてこれは運のゲームではないと証明する気なのだ。


「あ、ああ」


りんごは承諾してアリエに近づく。


『最初はグー、じゃーけん、ポン!』


拳が出た後に互いの手が出る。りんごがパー、アリエがチョキだ。


「まぐれに決まってる、もう一度やるぞ」


負けたりんごが言う。


「いいわよ」


アリエが承諾し再び拳の後に手が出る。りんごがグー、アリエがパーだ。


「な………」


まさか二度も負けるとは思わずりんごがあ然とする。


「も、もう一回だ!」


だがりんごはめげずにみたびアリエに挑んだ。


「いいわよ、何度来ても同じだと思うけど」


わけがわからなくなってるりんごに対してアリエはまだ余裕だ。


再び交わされる拳、手の動き。今度はりんごがチョキ、アリエがグーだ。


「もう一回!」


「まあ、いいけど」


四度目の勝負を挑まれてアリエが少し疲れてきた。だが結果はりんごが敗北し、その後もアリエに挑むも同じことの繰り返しだった。


「なんでだー!なぜこうなるー!」


度重なる敗北にりんごが頭を抱えて悶えた。


「だから言ったじゃない、じゃんけんは運じゃないって」


反対に勝ち誇るアリエは拳銃のように二本指を立てている。


今回もお読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ