3.代わり。
私はきっと弱い人間なんだ・・・。
この辛い日々に耐えられなくて誰かに頼ってしまう。
そんな時に一緒に居てくれたのがダイキだった。
ダイキは高校1年の時の同級生だった。
お兄ちゃんみたいな存在で“ダァ”って呼んでじゃれていた。
しかし高1以来あまり連絡を取ってなかった。月一でメールするかしないかくらい。
近況報告みたいなものだった。それもいつもメールだったのに
電話がかかって来たのをきっかけによく遊ぶようになった。
ダァはあたしの話を黙って聞いてくれる。
一緒にバカ騒ぎもしてくれる。
ダァにほんとに支えられてきたと日々感じる。
ある日、俺にすれば?と言われた。急なことで言ってる意味がわからず
ポカンとしてるとダァは笑って頭をなでてくれた。
それ以上何も言わずに・・・。
それからもヒロとは相変わらずで、見守ってくれるダァがいて。
だんだん諦めきれない自分に苛立ちを覚え、ダァに申し訳ない気持ちで
いっぱいになってきた・・・。
そんなあたしを見てなのかなぜか鍋食べようと言うことになった。
ダァの家でこたつでちょっと飲みながら鍋をした。
最初は面白い話ばかりして盛り上がってたが、ダァが急に説教口調で
話し始めた。酔っ払ってるのだろうとおとなしく聞いてると
「酔っ払ってるんじゃないぞ。今のお前見てられないよ。
そんなに苦しいなら俺にしろよ。そいつを忘れるために利用したっていいから」
その一言に涙があふれた。利用していいって・・・。
この人は何でそこまで言ってくれるんだろう。
でも他の人と付き合って忘れられるわけ無いって事
ダァが一番わかってるはずだった。彼が経験してきたことだから・・。
それでも言ってくれたのは彼のやさしさだと思う。