第六話。 まずは食べましょう。――欲しがりません勝つまでは?何時の話ですか。えっ未来?何それ怖い。
多分今私がいるところは水の流れからして川なのでしょうね。
それも水がしょっぱくないところ考えるに河口ではないのは間違いないですね。
むしろ周囲の岩のごつごつ感からしてそれなりに上流の方かもしれませんね。
いえ、わかりませんけど。…これで実は違ったりすると赤っ恥なのでこのくらいで推察はやめておきましょう。
知ったかぶりとそれを止めるタイミングをしっかり見極めるのが要領のいい一般虫の生き方です。
そう言えばつい先日YAMANASHIなことがありましたが、
水の中から見ているとそう少ないことでもないようですよ。
例えば大型魚類主食型肉食竜モンスター、巨大剣棘恐竜が今まさに、
魚を捕えていきました。
尤もクレイモアスピノに関してはもともと水面に鼻先をつけて狩りをすることが多いので、
YAMANASHIというよりかは待ち伏せ型なんですけどね。
まぁ大型肉食獣は得てして食べ残しも多いものです。
というわけで私は今そんな食べ残しを狙って食べています。
自分の獲物ぐらい自分で狩れ?
常に捕食者たれ?
もしかして他の姫バチが見たらそんな風に言われるかもしれませんね。
きっと言うものもいるでしょう。皆がそうではありませんが。
そう言う蜂もいるだろうことはあったことはないですがわかります。
最近になって、会話したこともない蜂族の情報がどんどん思い出されます。
これもわたしの母が私に遺してくれた力の一端なんでしょうか?
でも、巣から護られて、巣に餌を依存している虫にそんなことを言われたくはありません。
安全な所でのうのうと生きて、その上他種のおこぼれを漁る私を馬鹿にする。
…自分たちは同種のおこぼれに預かっておきながら。
えぇ開き直りましょう。意地で腹は膨れません。『誇り貴き血(SUPURBIA)』?知らない名前ですね。
死肉漁りだって誇りと獲物の味と一度の食事量に目をつぶれば悪いものではありませんよ。
好きなものだけを狙って食べれるわけではありませんが、
だって自分が倒せない敵を喰らい糧にすることができるんです。
さっきクレイモアスピノの名前を理解したのだって、
死肉から手に入れたスキル『怪物辞典』とその使用による『観察力向上』を手に入れたからです。
とにかく命あっての物種というものですよ。あっ、またおこぼれが落ちてきた。
あー今回のおこぼれは当たりかな。
『グラシリスは誇り無き死肉喰らいの称号を…入手に失敗しました。
称号による直接捕食の吸収効率が下がり死肉の捕食効率が大幅に上がる恩恵は見送られました。』
あれ?称号の入手失敗?
―――そんなこともあるんですね。
スキル 怪物辞典
相手の種族が解かる。
使用を続けると『観察力向上』更に続けていくとその他との要因にもよるが、
『解析力向上』も手に入る。
スキル 観察力向上
敵のランクや属性などが解かる。
スキル 解析力向上
敵の弱点として存在する属性以外の対処法が解かる。
例えば燃える敵や音を使う敵に対し空気が必要であると解析し、
空気を全て奪い去ることで対処する、など。
これに関してはほぼ使用者の資質による。
SUPERBIA
最強の力ある称号、『七つの大罪』の一種。『傲慢』。
七つの中で尚最強と言われている。その効果は使用者によって変化はするが、
基本的には『誇り』を力に変える。
もしくは初代蜂族女王の名かそれに倣った蜂族直系王女の名。
称号 七つの大罪
強力な力を与える称号。
但し力無き者は逆に飲み込まれてしまう可能性もある。
前の持ち主を殺すことによって継承が可能となる。
取得自体はその方法であれば大体誰でも可能。
当初他星からの侵略者たる7つの魔が持っていたとされる。
これを持つものを『大罪の魔王』と呼ぶ。