第十七話。バックドア?いえいえワームです。
グラシリスを待ち構えていたカワウソ擬き、
カストーロカウーダレヴォリューションは、
既に満身創痍な姿であった。先程性格の悪い個体のトビゲラのモンスター、
ドールマスターカディスの幼虫によって散々いたぶられた後だった。
しかしその眼に革命の炎は消えてはいない。
再起を誓い、命からがらその場を逃げ出したカストーロカウーダは心の革命の炎に新たなる薪をくべることにより、
カストーロカウーダレヴォリューションとなり再誕した。
そして復讐すべき相手を怪我を癒す暇もなく探しては、獲物を狩り、より強くなっていった。
そして今日もトビゲラのモンスターを見付けることはできなかったが、
嘗てその眉間に刃を突き立てた敵に遭遇したのだ。
カストーロカウーダレヴォリューション RANK C-
その爪は伸び、その毛はより堅く、よりしなやかになり、
その眼光は更に鋭くなった。
その大幅に変わったカストーロカウーダレヴォリューションを見たグラシリスは言った。
「あー…みのがしては、くれませんよね。」
言葉は通じていないものの、当たり前だというように以前より強くなった爪を振り、
毛を振りグラシリスを睨みつけ近寄る。
対するグラシリスは刃を生成した長い尾を向け、緩やかに後退する。
距離を詰めるカストーロカウーダレヴォリューションと交代するグラシリス。
以前の焼き増しだ。
以前と違うのはグラシリスが最初から刃を生成して威嚇しているのと、
カストーロカウーダレヴォリューションが進化しその姿が大きく変化したというところだろうか。
以前の二の舞は踏まないと、カストーロカウーダレヴォリューションはその目の前にある刃に細心の警戒を払いつつも大胆に飛び掛かった。
目の前に飛び込んでくる刃を両爪で受け止め、
そしてその顎を―――――――――――――――――――
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以前と同じようにカストーロカウーダレヴォリューションが襲い掛かってきました。
しかも私から見てもわかるくらいに刃にこれでもかというほど警戒して。
しかし残念でした。
目の前の刃にばかり注目していますが、
――――――――――――何も刃が目の前の一つだけなんて誰が言いました?
スキル『針山』発動
私の下半身からもう一つの尾が伸びてきます。
――更にもう一つ。
三又の鉾の様に伸びる刃の付いた尾。
残念ながらそのうちの一本にあまりにも集中しすぎたあなたでは目の前の一本を両爪で挟み込むところまでは良かったのですが、
正面から眉間を護った所で、両端から眼に向かってくる二つの刃はどう止めるおつもりです?
残念、本当に残念でした。
再び私の刃を受けてそこから注入される被支配因子を含んだ毒を、
文字通りどくどくと流し込まれていくあなた。
まだ私の力は弱いのでその分大盛りでサービスしておきますね。
姿が変わってランクが変わって強さが変わって別の個体にでもなったつもりだったのかもしれませんけど、
「あなた、なにもかわっていませんよ。」
一度夢や希望を諦めちゃった方は、もう負け犬になっちゃうんです。
以前私に支配されましたよね。何らかの要因で立ち直りましたけど一度はほぼ完全に。
一度開けた扉を開くのなんてわけはないです。
鍵も変えてない扉なんて、身体ばかり強くなって何の変化もない精神なんて開けるのは難しくないんです。
さぁ、今度はその心が自身で再び色を灯すことはありません。
私の支配に染まって下さい。




