第十三話。戦闘?どちらかというと大反対です。
ファデータさんが女王様に私たち3匹の巣の外に出る許可を取り付けてきました。
巣の外といっても余り離れた場所ではなく、
ヴェスパの巣の周りには近寄ってこない弱小生物がギリギリ出てくる位の近場です。
っといっても私たち幼虫にとっては危険地帯といってもそう間違いではありません。
ただ、危険地帯といってもあくまでそれは私たち幼虫にとっての話で、
成虫たるファデータさんはそんなこと微塵も思ってなさそうです。
意外、だったのがスペルヴィアちゃんまでもがあまり恐怖が見受けられないことです。
警戒こそしていますが危機感がそこまで感じられません。
…全く、成虫が運んできてくれる他のモンスターの死骸と生きたモンスターは全く違うというのに。
私とスペルヴィアちゃんは地面を這いながら、
ファデータさんはその周囲を飛びながら私の対戦相手を探していました。
まぁ探せばいるものです。
キノドドン(RANK E)×1
幾ら種として脆弱な哺乳類とはいえ、進化を重ねればRANK CにもBにも、更に上にも跳ね上がります。
精々私の相手はキノドドンの進化前のFランクのキノドンくらいでちょうどよかったのかもしれません。
いえっ、地上ではそれでも不利かもしれませんね。
「あまりランクにとらわれないことです。」
「えぇ、相手がCランクだろうがBランクだろうが私たち蜂族に勝るものなどありはしない。
だからランクに脅える必要などありませんわ。いいことをいうのね、シリス。」
「しりすさんかっこいいです。」
いえ、今のはランクに奢れる必要はないというつもりだったのですが…。
後、スペルヴィアちゃんが素直すぎて順調にファデータさんに染められていっていて、
いずれ私のストレスが加速しそうです。
まぁ逃げられないわけではないのですが(味方によって)逃げられないこの戦闘からどうやって逃げ切ろうかと算段をしていたところ、
逃げられました。―――――――――――――――キノドドンに。
………あぁ、そうでした。ここにはジャイアントヴェスパ王族種成虫のファデータさんがいましたね。
直ぐに危険を感じて逃げる判断ができるあたり本能的に長寿タイプってやつですね。
「あー、にげられてしまいましたね。ではこれでおひらきということで…。」
「そんな訳無いでしょう。」
「ないです。」
私はこの危険から逃げ出せそうにありません。
蜂族が本能的に長寿タイプでないのは確定的に明らかですね。




