第十一話。ろりの何が悪いのか3行でお答えください。
この巣は本当に居たせり尽くせリですね。
美味しい食事に清潔な部屋、カッコいいオス。
そして何より命の心配もありません。
…あぁ私駄目になりそう。
拝啓お母様へ。
生活も婚活も案外楽になりそうです。
安心しててください。 グラシリス。
カッコいい王子様と出会って平穏で安泰な生活をこなすという私の夢はもはや叶ってしまいそうです。
…もし、ここに居続けるなら、の話ですが。
女王様の他の娘にも会いました。
スペルヴィアちゃんです。まだ幼いながらも可愛らしさと利発さを兼ね備えたその容姿。
どこか怜悧さと儚さとほんの僅かな苛烈さを感じさせる女王様とは違った美少女です。
女王様で思い出しましたが、
女王様の事をファデータ姫と似てると評しましたがそんなことはありませんでした。
だって、ファデータ姫はあの女王様から生まれたとは思えないほど考えが堅いですから。
…ついさっきの事です。
「怪我は大丈夫かしら?」
「だいじょうぶです。」
「それはよかったわね。…………ところであのような弱小生物相手に逃げの一手に尽きるばかりで、
反撃の一つでも行い蜂族の矜持を見せなかったのはなぜかしら。」
「しにたくなかったからです。」
「…貴女に誇りはあるのかしら?」
「少なくとも誇りだけで空腹も怪我も癒すことはできません。」
「あなたのお母様も草葉の陰で鳴いているでしょうね。」
「ははを……ひきあいにだすのはやめていただけますか?」
私の中の何かが膨れ上がるのを感じていた時、
「ファデータ、グラシリス、そこまでにしておけ。
グラシリスは姫種の幼虫部屋へいくように。――――――ファデータ、私の部屋に来なさい。」
そして私はスペルヴィアちゃんに出会いました。
お姉さんとは違って可愛らしい感じの美少女で話しかけやすい感じなのでお話しすることにしました。
「はじめまして。ぐらしりすです。あなたは?」
「わたしはすぺるびあです。ぐらしりすさん。
ここのだいにおうじょです。よろしくおねがいします。」
思ったよりも生真面目そうな喋り方ではありますが、それはそれでSO CUTEです。
生真面目系少女。好きな方は好きでしょうね、こういう娘は。
まぁそんなことはおいておいて凄く素直そうで可愛らしいです。
だって、
「こちらこそよろしくね。すぺるびあちゃん。」
「はいっ。」
「ところですぺるびあちゃんはなりたいものとかある?」
「う~ん、あっ、およめさんです。」
まぁ、どちらかというと婿がとられるのが蜂族なんですがそれはおいておいて、
本当に可愛いですね。
こんな妹がいるファデータ姫がうらやましいですね。
…もし、この仔が敵に襲われてもそれでも闘うように言うのでしょうか、
ファデータ姫は。
そうやって色々話しているうちにスペルヴィアちゃんの家族の話になりました。
「じょおうさまとふぁでーたひめはすぺるびあちゃんからみてどんなかんじですか?」
「だいすきですっ。」
あぁもう抱きしめたいです。質問からは若干ずれているもののある意味大正解です。
「…もうすこしぐたいてきにきいてもいいですか?」
「かあさまもねえさまもきびしいですが――――――――――――」
えぇ、そうですね。結構厳しそうなところがありますよね。
ファデータ姫はあの通りだし女王様もどこか恐いですし。
「―――だいすきですっ。」
やっぱりこの仔天使です。
いえ、天使を捕えて食事として献上してもいいくらい可愛い。
そうやって身悶えしていると視界の端に他にも身悶えしているものがいました。
……ファデータ姫…。
「ふぁで――「すまなかったわね。」へっ?」
「貴女の母親の事を引き合いに出したことは謝ります。ごめんなさい。」
「ちょっちょっと…、もう、いいですよ。
わたしもあえてちょうはつするようにかえしたことはすみませんでした。
ほこりたかいべすぱのひめなんですからかしらをあげてください。」
「…ありがとう。でもね 一つ、いえ二つだけ言わせて頂戴。」
「いいですよ。」
「一つ目は感想よ。あの時あの哺乳類に囲まれた貴女を見た時、
何故だか私には貴女なら勝てた気がしたの。」
「そんな…買い被りですよ。」
「…そうかしら…?
二つ目は質問ですね。もう一度聞きます。
グラシリス、貴女に誇りはありますか?」
「…えぇ。たかきほこりはこのむねに。」
正解
何も、
問題は、
無い。




