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<05> -昼休みが厨二病すぎてやばい!!-


 何がやばいのかわからないですが、昼休みです。

 それから殺気まみれな教室で数時間経過した。授業中にも関わらず「嘘だぁ!!」とか「ウッディー!!」とか「ウソダドンドコドン」とかの声が聞こえるが………最後は違うか。まったく………ひどい事件だったね。


 昼休みに入った途端殺気立った奴らも空腹という欲求には勝てなかったらしく、チャイムと同時に教室を出て行った。俺は安堵の息をもらし一時の休息を感じずにはいられなかった。

 だがその休息も新たな三人の来訪者によって一瞬で幕を閉じるとは。


「ヒョウガさ―――オサム様。一緒に昼食どうですかぁ?」

「おい、クソダーリン。一緒にお昼どう?」

「にぃに。お昼一緒なの」


 やばい。何がやばいって俺の人生こんなハーレムだったか?特に最後のとか最高なんだけど。あ、いや。別に俺はロリコンじゃないぞ?ホントだよ?


「にぃにって?」


 おい。お前みたいなツンデレが言う台詞じゃないぞ。お前はどっちかというとテンプレめいた「べ、別に仕方がなかったから言っただけなんだからねッ!!」とか言ってればいいんだよ。


「そう呼べば喜ぶの」

「いや、違うぞ。―――そんな目で俺を見るな!!」


 ミーシャは口を押さえながら驚き、紅月は悪戯な笑顔を浮かべる。どうせお前ら俺をロリコンだと思ってるんだろ!!俺はロリコンではない。シスコンだ。リアルで妹なんていないし俺は一人っ子だがな。

 むしろコイツ等なんてどうでもいい。俺が作った設定のキャラなんだから。問題なのはクラスの連中だ。殺気だっていた男子どもは購買部のパンを買いに行ったから殺される心配はないが、問題は教室で弁当を広げている女子の方だ。


「きもぉ………下級生に何言わせてんのエスパー」

「何?ロリコン………?きもぉ………」


 やっと厨二病患者というレッテルが剥がれたと思ったら次はロリコンのレッテルを貼られるのか………俺はロリコンじゃないんだ………シスコンなんだよ………。


「んじゃアタシもそう呼ぼう―――」

「紅月、ミーシャ。テメェ等はだめだ………あいちゃん専用だから」

「む………」

「そうなの。これはスク専用だからベルはシッシ。なの」


 いい笑顔でミーシャを手で払うあいちゃん。それに反応するように黒い笑顔でミーシャもそれを見る。また二人で睨み合いが起きそうだったので、我が愛しのあいちゃんを守るために二人を制した。


「やめろ、わかったから。とりあえず場所を移そう」


 この場の空気がよろしくないっていうのもあるし、そろそろ購買部で戦利品を手に入れた猛者どもが帰ってくる頃合だ。

 俺は今にもキャットファイトを始めそうな二人を制し、それを楽しそうに傍観してる紅月に助けを求めながら教室を出たのであった。

 しかし、どこにしようか。




 * * *




 中庭

 というわけで俺達は冬まっさかりの時期に誰も近寄らない中庭に来ていた。


「さむッ!!発寒(はっさむ)!!」

「ポケ○ン?」

「いや違うから。どっちかというと地名とか駅名だから」

「二人共。ちゃんと着込まないと風邪ひきますよ」


 寒空の下で俺達四人はコートを着ながら芝生に座りこみ、尻に湿った芝生の感触が気持ち悪いくらいに冷たく感じる。俺は苦虫を噛んだような顔を浮かべるが、各自持っていたハンカチを広げてそこに腰を下ろした。あまり見慣れない光景だったのもあり、女性らしさを感じずにはいられなかった。


「つかこんな寒空の下で弁当食べるってどういう神経してんの?」

「いいだろ?穴場なんだ」

「寒いからヒョウガ様にくっつくの」

「抜け駆けは許しません」


 ということなのでなぜか三人に囲まれての昼食となった。並び順としては俺を中心として右にあいちゃん、左にミーシャ、対面に紅月だ。席順だけは三人で取り合いのキャットファイトを予想していたのだがさすがは長女ウルド、余裕の笑みを浮かべ「アタシは対面でいいよ」と言った。そのあと少し寂しそうな顔していたような気がしたが………気のせいだろ。


 各自弁当を広げるとそれぞれの色が見れた。


「恥ずかしいのであまり見ないでください」


 ミーシャのは色鮮やかに桜でんぶや、卵などで飾られたご飯に花びら型に切られた人参などその小さな弁当という額縁に描かれた芸術としてそこに存在していた。つか凝ってるとしか思えない。


「お料理、好きなんですよ。やっぱり射止めるなら胃袋ですよね?」


 何を言ってるのかよくわからないのでスルーしてあいちゃんのを見た。


「スクの食べたいの?」


 小さな弁当箱に混ぜご飯で握られた小さなオニギリが三つ入っていて、あとはそれを飾るように緑で縁取っていった。もっと肉を食べなさい。大きくなれないぞ。


「オニギリの具は玉子焼きと、お漬物と、ウィンナー。なの」


 それが彼女の大好物なんだろう。今日一番で見る笑顔であいちゃんがオニギリの中身を言った。なんかテンプレめいた具じゃないのでコメントを控えさせてもらいます。


「なんだよダーリン。アタシのなんて見ても面白くもなんともないぞ」


 いや、いちおう三人ヒロインいるんだし面白くなくても見ないとだめなんだよ。ただのコンビニでかったサンドイッチだとしても。ついでに具は………プリンアラモードォ?

 訂正。サンドイッチじゃなくてケーキだ。こんなものサンドイッチだとは認めないぞ!!

 そんなんばっか食ってるから栄養が胸に行くんだよ


「む、胸は関係ないだろぉ!!」


 各言う俺の弁当はというとうちの愛すべき母様が作ってくれたノリ弁なんだがな。まじで米とノリしかないぞ。

 しかし、なんだこのハーレム。だがコイツ等は空想上の人物だから本物の女ではない。


「にぃに」


 だがあいちゃんは除く。俺としては全然嬉しい。むしろこのままウチの妹として暮らすことを希望する。


「コホン。そろそろ本題入るの」

「そうだな。ロキについて―――」

「ヒョウガ様。あーーーーん」


 さっきまで静かにしていたミーシャが横から割って俺に煮物を口に運んだ。

 小っ恥ずかしいが、他人の視界がないし、正直中学から毎日母親の愛のノリ弁を耐えてきた身としては魅力的な、さらには女の子のお手製っていうその魔力には敵わないわけであって。それにこいつらは本物の女の子ではない、俺の妄想なのだから。もう何が言いたいのかわからなくなってきた。

 少々薄味だが瑞々しく、今まで平凡な家庭で育った俺としては煮物がこんな綺麗に【煮物】という味を自己表現しているものを食べたことがなく。よく言う上品な味というものがこういったものなんだろうと納得せざるおえない味だった。コメントしずらいが口の中に綺麗に自己表現しているんだ。大事なことだから二回言った。


「おいしいですか?」

「あ、あぁ………」

「昨日の残りだったので味落ちてますけど」

「家庭的なことアピール乙でぇ~す」

「乙なの」

「オニギリと野菜だけの人と、コンビニ弁当でさらにケーキの人に言われたくありません。そんなんだから身長にいかないし、胸ばかり大きくなるんですよ」

「ほぉ………それはアタシ等に喧嘩売ってるってことでいいのかベルダンディ………?」

「ウルド。ここは一時的にも協定を組むの」

「ストップ!!ストップ!!ストップ!!」


 もうなんかよくわからない雰囲気になってきたから話を戻そう。なぜ俺等がこんなところで飯を食べてるかだ。


「ちょっと待てよ。それよりもラグナロク止めるのが先決だろ。んな俺みたいな凡人口説いたところで何も価値無いぞ」

「そんなことありません!!ヒョウガ様は強くて素敵な方です!!」

「そうだぞ。お前みたいな男とクラスにいる男子と比べてみろ。お前が凡人ならあいつらはゴミ虫か?」

「ゴミ虫なの。だからヒョウガ様は凡人ではないの」


 こんなときばっかり息をそろえるなよ。つかそこ食いつく話じゃねーし。


「とりあえず教えてくれ。記憶が欠落してるんだ、ロキについて詳しく教えてくれ」

「ロキですかぁ………」

「あれはダメなの」

「ダメ?」

「そうだよあのホモ野郎。何かとアタシ等のところに来ては『ウルド。最近腰周りに肉がついてきたんじゃないか?』とか」

「ワタクシなんて、料理してる最中に来て『味付けが濃すぎる』とかまるで小姑ですよ」

「まだいい方なの。スクなんて口も聞いてくれないの」

「なにッ!!」


 なんか二人のときよりもあいちゃんに反応したもんだから二人の金髪と銀髪の視線が痛かった。

 と、とりあえずまとめるとだ。小姑みたいで洞察力もあり、おまけに俺の敵ってことで間違いないようだ。あいちゃんの敵は俺の敵ってなぁ!!


「外見は?」

「「「外見は………」」」


 そこで固まる三人。話を聞くとどうやら変装が好きなみたいでいつも違う格好でいるため、本当の姿を知っているのは俺だけのようだ。だから俺に探せと指令がきたようだ。だが現地にいる俺としては当時の記憶なんてまったくないわけで、ロキの設定どうしたかまではさっきの言葉を借りれば記憶に欠落があってわからない。だから三人に共通点とも言えるものを聞いてみることした。しいてあげるなら―――。


「変な笑い声をします」

「変な?」

「クヒクヒクヒ。笑うの」

「あれ気持ち悪いよね」


 クヒクヒ………ねぇ。とりあえずあとで隙があったらノートを見てみようか。



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