<00> -プロローグが厨二病すぎてやばい!!-
あれは一体いくつの時だろうか?
物心ついたときには
「―――ック!!――――――右目が疼く………」
とか真面目に言ってた時期が俺にはあった。
厨二病末期患者リストという本が出版されてたら、真ん中らへんに俺の名前、『伊藤 修』が載ってあったかもしれない。(本当にあったら自分でその名前に二重線を入れて真名の『裁刃 氷牙』と書いていただろう。今想像するだけで寒気が………。)
どこにでもあるような苗字と名前が嫌で一生懸命自分の真名を考えてたっけ。終始無言の携帯電話に「もしもし、俺だ」とか話しかけていたり、無駄に眼帯とかつけて「これがないと左目の魔力が……」とか。あと無駄に腕に包帯とか巻いて「っく―――やはり邪王炎殺黒龍波を打つべきではなかった………」とか言って、母親によく「変なことに包帯使うなら次から自分で買ってきなさい」と怒られた気もする。
ついたあだ名は『王子』とか『エスパー伊藤』とか。そう呼ばれるたびに「なんだその名前はっ!!俺の本当の名前は………ック!!言えぬ。真名だけは誰にも言えぬ!!」とかなんとか。
それは誰しもある若かりし頃の過ちであり、もうその難病が時間という超強力な薬で感知してしまった。後遺症と言えばその当時の俺の話を聞く度に顔が真っ赤になり、死にたくなることくらいだ。
俺には秘密があった。別にガチで今してる左の眼帯の下が邪気眼だ。とかでは絶対にない。(これは蚊に刺されて腫れてしまっただけだ。)そういった特殊能力を持っている秘密ではない。人に言えない恥ずかしい秘密といった方が正しい。
今でも押入れの奥の奥。小さなダンボールの中、六年間蹴っ飛ばしたり乱暴に扱ったランドセルの中に厳重にしまってある。
その正体は一冊のノートだ。
そう。それこそが俺、伊藤修の開けてはいけないパンドラの箱だ。それは本人に取って最凶の絶望であり、他人からしたらネタという希望に満ち溢れているものだ。もう俺個人の絶望しか残らない。希望よ!!カムバック!!
机の中にでも入れようものなら、ふとした拍子にひょっこり出てきてしまって恥ずかしさのあまり死にたくなる。
と言うことでランドセルという強固の守りで封印したというわけだ。(なんか封印とか使ってると昔を思い………おっと、誰か来たようだ。)
そんな封印とかまでして、しまってあるからには相当な事を書いてあると想像するだろ。たぶん考えてるので正解だと思う。このノートには厨二病感染中に考え付いた設定という設定をこれでもかぁっ!!と、大学ノート一冊まるまる詰め込んでしまった代物だ。
しかもご丁寧に題名までつけて。確か………『ブック・オブ・ネクロノミコン』だったかな?確か下にルビ振ってネクロノミコンの書とか書いてた気がする。
わかるだろ?
イタイだろ?
だからこれだけは誰にも見られないように大切に封印、もとい保管せねば………。さすがにこの年になればランドセルを触れる者はいないと考え付いた俺は天才だと思っている。
シュレッターにかけて捨てるという選択肢もあったのだが、ゴミ捨て場で近所の松田さんが、ゴミ袋を開けながら「ハァハァハァ………」と興奮しながらシュレッターの紙くずをせっせと集めてるところを見て以来捨てられずにいた。彼は重度のシュレッターパズル中毒者なんだろ。うん、分かってる。何も言わないでくれ………。
話は戻ろう。うん、現実は見たくない。ついでにもうランドセルをかっこよくして『乱度世流』と呼ぼう。最高じゃん。乱れる度に世を流すなんて。
乱度世流について熱く3時間くらい語りたいが、さすがに俺も色々と参ってる。
だからさっさと本題に入ろう。
誰か助けてくれ!!
元厨二病患者だった俺が昔作った厨二設定で世界がやばい!!
昔書いた厨二設定が本当になったら恥ずかしくね?恥ずか死しそうだよね?と思って書きました。
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