虚影録 9話 こんにちは!
わーこんにちは!こんにちは!こんにちは!こんにちは!こんにちは!こんにちは!
────医務室─────
木でできた、毎日見ている天井が目に入る。
ぼんやりとした視界の中で、奏架はゆっくりと上半身を起こした。
そしてゆっくりと伊月の方を見た。
キレながら。
奏「こんにちは!」
伊「?こ、こんにちは?」
隣に座った筋骨隆々のおっさんが言う
黒「おいおい、伊月、ほんとにこんな奴をAランクにするのか?」
伊「黒嶺ギルド長!……この子、
いつもはこんなおかしな子じゃないんです!」
何かというと、
奏架からこんにちはとしか返事が返ってこない状況である。
奏「こんにちは!」
黒「やっぱこいつ脳みそ壊れてんじゃねぇか?」
虚『おーいちゃんと返事しろよー奏架ー。』
奏『こんにちは!』
虚『こっちもその対応かよ、…』
奏『こんにちは!』
虚『やめろって、怖えよ…』
黒「あー、もういい、こいつは放置して別のことを話そう。」
伊「……はい、その前に奏架君に表示使ってもよろしいでしょうか?」
黒「あー、いいぞ。ちゃっちゃとやってくれ。」
伊月が能力を使うと空中に文字が浮かび上がる。
シュバッバッバッ
──────────────────────
{名前:奏架 }
{種族:人 }
{魔力状態:安定 }
{魔力回路:開通済み }
{能力:次元操作 }
{魂の状態:鎖は片方安定 }
{精神状態:普通 }
{感情:怒り }
──────────────────────
伊「なんで怒……
奏架君……ごめんなさい。
私が居ながら助けれず……」
奏「…こ、」
伊&黒「こ?」
奏「こ、……こちらこそごめんなさい、伊月さん。
最初スケルトンにビビってしまって。」
伊「あ、い、いえいえこちら、こそ?」
黒「あー、まぁとりあえず正気に戻ったなら、
ランクの話をさせてくれないか?」
奏「は、はい?」
黒「自己紹介がまだだったね。
ギルド長の黒嶺だ。よろしく頼む。
奏架君。」
奏「は、はい、よろしくお願いします。」
黒「君のランクについて何だが、上位種撃破という
Bランクのクエストを受けてはないが、
Bランクになるための条件をクリアしたから、
DからBランクへ昇格だ。おめでとう。」
奏「あ、ありがとぅがぉざいます?」
黒「それと、その上位種について何だが、
伊月ー、説明頼めるか?」
伊「あ、はい。
奏架君、あの上位種、もとい
リッチなんだけど、
少々君に押し付けよとしていたことと関連があってね。
変異というか、魔王の瘴気に当てられたことによって
通常個体のリッチの数倍になってた。
そして、君に任せたい仕事というのは、
地生側の勇者のお守でね、
それと規則で聞かないとといけないことがあってね。
リッチと戦ってる時、幽霊を見なかったかい?」
奏「あー、はい。見ましたけど。
?、てか、ゆ、勇者??勇者って言いましたよね!今!
勇者なんているんですか!?
てかそもそも魔王の瘴気って何ですか?!」
虚『そりゃ異世界なんだから魔王の1人や2人はいるだろ。』
伊「やっぱり才能あるね、後で話すか。」
と、伊月は呟いた。
黒「それに関しては俺から話そう。
まず魔王というのは、
まぁ簡単に言うとだな、
魔王ってのは“魔の者側のトップ”だ。
で、その漏れ出た力が瘴気ってやつだな
これに魔の者が触れると変異し、通常個体よりも強くなる。
そして勇者、過去に魔王に立ち向かって封印した時に
我々と協力関係を結んで共に魔王に挑んだもののことだ。
今ではその子孫が勇者としての役割を持っている。」
奏「ほへぇー。つまり悪役と正義の味方ってことですか?」
黒「簡単に言うとそういうことだ。
それで伊月が任せたい仕事が
その勇者を疲れさせない、暗殺を阻止する為のお守だ。
というのもまぁ、今代の勇者は……ちょっと特殊でな。」
虚『お守しないといけないって相当弱そうだが。
最後の切り札が強いのかな?』
黒「まぁとりあえず、勇者が来るまであと3日程度だ。
その間休んで回復してくれ。」
アー・ヒアロー・アピアズ




