実姉からの告白を断ったのに
告白は断ったはずなんだ。
「好き、結婚して」
「ムリ、僕は弟だから」
「いただきます」
僕は手を合わせ、言う。
姉は、既に食べている。いただきます、とは言わず、無言で食べはじめた。
じ、と僕は姉を見る。
「何?」
「いや、何でもない」
「じゃあ、こっち見ないで」
「ごめん」
僕は頭を下げる。
変わっていない。いや、むしろ、前よりも冷たくなった。この実姉は、前よりも冷たい、クールってやつ。
あの告白は、今年の4月だった。
実姉からの告白、このクールな姉が、目の中にハートを作ったかのような感じで。
あれは嘘だった、そう思う気は、僕にはない。
罪悪感も、すぐに消えた。
そして、
「ごちそうさまでした」
僕はそう言って、立ち上がる。
さて、高校受験もあるし、頑張らないと。
今は、11月。
絶対に姉さんと同じ高校には行かない。
ナデナデ.
「勉強しないと、勉強勉強」
ナデナデ.
「集中集中」
ダキッ!
スーッ,ハーッ!
クンカクンカ、
「ちょっと待って。
姉さん、さっきから何やってるの」
「何って、弟の匂いを感じてるんだけど?
すっごいキュンキュンする」
「なんか今日デレがひどくない!?」
姉さんに振り向き、僕は言う。
ああ、やっぱり、今日も目がハートになってる。若干、息も荒い。
人前ではクールなのに。
「だって、だってさ、もしかしたら寮に入るかもしれないじゃん。そしたら離れるじゃん」
寂しそうな顔。
が、それは、一瞬。
再び目をハートにし、
「だから、今のうちに弟成分を摂取しておかないと」
そして、再び頭を嗅ごうとしてくる。
僕の成分は頭から出るのだろうか、いや、それはどうでもいいんだけど。
「私と一緒の高校に行こうよ、いつでも一緒だよ?」
「それが嫌なんだよ…!」
「何で? 何でたった1人の弟なのにそんなこと言うの? 世界にたった1人の可愛い弟なのに」
「いきすぎてるんだよ、行動が」
「わからない、愛を止める理由がわからない」
クンカクンカ.
「困ったなあ、本当に」
僕は一体どうすればよかったんだ?
姉さん、血の繋がっている実の姉さんに成分を頭から摂取されながら考える。
告白は、断ったはずなんだ。
きちんと、断ったはずなんだ。
なのに、断った翌日から、2人きりのときは、こうしてデレデレするようになった。
あの冷静でクールな姉が、である。
何が正解だったんだ?
そして、何が正解なんだ?
これが本当のツンデレ?
知らないけど。
「ふう。
ごちそうさまでした」
「食事で言おう?」
「とにかく、私と一緒の高校に入ろうね。私、生徒会長してるんだよ? 1年生から、今の2年生まで、ずっと生徒会長。たった1人の弟のためなら何でもするから」
はあ、と僕はため息を吐く。
次からは人のいる所で勉強しよう。
告白は断ったのに。
実姉から告白とは、羨ましすぎるぜ!
読んで頂き、ありがとうございました。
あとは各自、このツンデレ(メンヘラ入り)の実姉で想像してください。お願いします。




