6話 奇跡
・・・たぶん
・・・大丈夫
リリア「・・・シウスなら
・・・シウスには
・・・ありのままの
・・・私で居たい
朝 精神病連 いつものフロア
リリア「おはようございます
今日もお互い
死に損ないましたね?」
シウス「あいさつとして
それはどうなんだ?」
リリア「・・・私ね
すっごいことに
気づいちゃったんですよ!!
シウス「・・・
明らかに
今までのリリアと違う
丁寧な言葉使いと
おしとやかな性格は
どこに行った?
リリア「私たち
働けない精神障害者だから
お酒やたばこできませんよね!?」
シウス「買える
お金がないからな
あと
薬漬けのため
飲酒はできないし」
リリア「それって!
すごく健康的ではありませんか!?」
シウス「・・・
ここに(精神病連)
居るのに??
リリア「それを言ったら
ダメなやつじゃない?」
リリア「あ!ところで覚えてるよね!?
今週の木曜日の夜に病院を抜け出して」
シウス「ここで
言葉にしちゃダメなやつ!?」
抜け出すのですか?
リリア「・・・あ」
シウス「そんなこと
堂々と言うと思いますか?」
リリア「・・・
・・・言った人間
ソマ「そんなことやめてくださいね?
私の(担当医)今までの苦労も考えてください?」
そう言いながら
立ち去るソマ
シウス「・・・警戒されたな」
リリア「じゃあ
金曜日の夜に変更する?」
シウス「意味ある?」
リリア「1日 ズラしたし」
結局
金曜日の夜に
二人は病院を抜け出して
海へと向かう
シウス「ぜったい
あとで怒られるやつだ」
リリア「上等じゃない!」
シウス「(・・・やっぱり
性格が変わってる)」
シウス「にしても
けっこう病院
ガバガバなんだな
簡単に
抜け出せたんだけど?
海 浜辺
リリア「きれ~い
星空がサービスしてくれたのかな
いつも病院の天井しか見てないから」
シウス「美しいよな」
リリア「花火があるんだけど
しない?」
シウス「・・・冬に
・・・どこで手に入れた?」
リリア「病院」
シウス「勝手に持っていっちゃ」
リリア「いいじゃない?
これくらい
神様に
ひどい目に
合わされてるんだから
リリア「精神障害と言うね」
シウス「・・・ま・・いっか」
二人で一緒に
花火に火をつける
手に持った花火が
燃え盛るのを見て
リリア「わあああああ!
これ どうすればいいの!?
花火を初めてしたから!!」
シウス「よく それで
花火をしようと思ったな?」
リリア「じゃあ シウスは
花火はしたことあるの?」
シウス「リリアと同じだよ?
花火さえ
できる機会がなかった
リリア「じゃあ
お互い初めてだね!?」
シウス「そうだな」
花火を楽しむ二人
リリア「これが花火かぁ
すっごい楽しかった
余裕のない
シウスを見るのもね」
シウス「俺だって
初めてなんだから
しかたないだろ?」
花火の
かだづけをする
リリア「・・・本当わね
・・・シウスと
旅行したかったんだ」
シウス「病院からの脱出になるぞ?」
リリア「・・・でも
・・・旅行の
・・・やり方も
・・・わからないし
リリア「・・・言ってて悲しくなる
旅行できる体力も
私には無い
近くの海に行って遊ぶ
病院しか知らない私には
もはや これだけで旅行と
呼べるくらい”遠くに来た”
リリア「・・・こんなことくらいしか
・・・できないでごめんね?」
シウス「・・・リリア」
リリア「・・・もし
・・・神様が居たら」
シウス「居るわけないじゃん
だって俺たちは
こんなにも
壊れているんだから」
リリア「・・・でも
居るんじゃないかな?
リリア「壊れていなかったら
シウスと
出逢えなかった
シウス「・・・リリア」
リリア「・・・初めて
・・・思えたの
・・・壊れて居て
・・・良かったって
シウス「・・・」
シウス「・・・リリア?」
リリア「な~に~?」
シウス「・・・
・・・抱きしめて
・・・いいか?
リリア「・・・
・・・いいよ?
シウス「・・・」
リリア「・・・」
リリアを抱きしめた
シウス「・・・俺も
・・・壊れて居て
・・・良かった
シウス「そうじゃないと
リリアと
出逢えなかった
リリア「・・・」
シウス「もう
俺たちって
何もなくないよな?
リリア「・・・」
シウス「いっぱい
いっぱいもらった
何もなかったのに
もう
何もないって思えないくらい
いっぱいもらった
リリアがくれた
ありがとうリリア
リリア「・・・」
リリア「・・・私も
・・・いっぱいもらった
もう
何もなかったころに
戻るのが怖くなるくらい
いっぱい いっぱい
もらった
シウスがくれた
シウスを抱きしめ返す
リリア「・・・シウスが
・・・くれたんだよ?
・・・精神障害者の私が
・・・幸せになれるなんて
・・・思わなかった
シウス「・・・リリア」
リリア「・・・
・・・独りに
・・・しないでね?
シウス「・・・うん」
二人は
強く互いを抱きしめ合った
ここに
「大好きな人が居るんだよ?」と
確認するかのように・・・




