2話 あなたは私
精神障害者
担当医が代わる度に
障害名も変わる
・・・理解されない
・・・理不尽
・・・普通ができない
その悲しみに
寄り添う少女
いつもの病院
同じ部屋 見飽きた天井
大金を払ってくれる
両親のおかげで
この病院に幽閉された
子供の頃から精神障害者で
義務教育さえ通えなかった
普通を知らない
数十年にわたる
幽閉生活
あるとき
ある少女と出逢う
その少女は
「君の事が理解できる」
できるわけないだろ?
そう怒りに任せて
その少女の持ってる
鞄を振り殴ったら
そこには
大量のメンタルの薬が
床に散乱した
「驚かないのですね?
普通の人(健常者)が見れば
青ざめてしまうほどの
薬の量なのに」
そんなの
俺も普通に飲んでる
その少女も
精神障害者で
何年も
この病院に
幽閉されてるらしい
その青年と少女が
出逢った頃の話
”身なりを整えなさい?”
”家から出て
運動しないとダメよ?”
”もう
働けるようになっただろ?”
・・・
健常者に言え!!
・・・何も
・・・理解してくれない
家族や医者の言葉を受け止め
届かない叫びを押し殺した
・・・
「知らないのですか?
シウスさん?」
「家族や医者には
ムリですよ?」
健常者には
理解できませんよ?
精神障害者になった
経験が無いのですもの
「関わった経験
データで得た知識
ここが限界」
「仮に医者が
精神障害者になってくれて
考えてくれても
”大切な時間を奪われて
数十年も苦しまないと
本当の意味で理解できない”
「診断書だって
健常者の
医者が書くのですよ?
”精神障害者の
苦しみを
味わったことのない
人間がね”
「そんな人間に
精神障害者の
等級を決められるとか
障害基礎年金が
もらえるか どうかとか
決められるの理不尽ですよね?」
・・・
「・・・でも
あなたと
同じ人間が
ここに居ますよ?
・・・
シウスの右手を取り
リリアの胸に当てた
「あなたと同じ精神障害者が
あなたと同じ生き方をした
精神障害者が
あなたと同じ
障害名の精神障害者が
あなたの目の前に居ますよ?」
・・・
「・・・
”私なら
あなたが理解できる”
「そう言いました
つらかったら言ってください」
「その代わり
私がつらいときは
お伝えします
あなたが私を
理解してください
あなたにしか
理解できませんから
・・・
「あなたと同じ人間
世界中探しても
0に近いでしょ?」
・・・
「でしょ?」
あなたなら
私を理解してくれる
だから聞きたくなった
きっと あなたも
数えきれないほど
思っては願ったはずです
「・・・どうすれば
・・・健常者に(普通に)
・・・なれますか?
・・・
「・・・
・・・どうすれば
”普通に生きる事が”
できますか?
・・・
「・・・教えてください」
・・・
・・・・・わからないよ
答えも知らない
ただ
それができない理不尽に
永遠に
問い続けるしかないんだ
「・・・」
・・・リリア?
「・・・大丈夫です
これは
絶望ではない
理解してくれる
あなたが居るから
シウスを抱きしめて
小さく声を漏らした
「・・・
・・・私と
・・・同じだね?
・・・
シウスも
リリアを抱きしめて
小さく声をかけた
・・・
・・・俺と
・・・同じだよ?
「・・・うれしい
あなたは
私なんだ
初めて
自分を見つけた




