10 脱出そして夢に見た自由
病院 脱出
車内
”リリアさん?
身体のお加減はいかがですか?”
リリア「・・・
・・・え?
シウス「”今日はマシな方”らしいよ?」
”それは
良かったですね”
リリア「・・・」
リリア「・・・ねえ?
シウスどういうこと?」
”本当に
駅まででいいのですか?”
シウス「あくまでも”旅行”に
したいからね」
リリア「・・・
・・・どういうことなのよ?
駅前
”名残惜しいですね”
シウス「”解放”されたろ?」
”また
縛れらるだけです
つぎの患者にね”
リリア「・・・」
シウス「俺よりは
手を焼かないと思うけど?」
”たしかに
シウスさんは
良い意味でも悪い意味でも特別でした”
リリア「・・・なんで
・・・なんであなたが
・・・脱出の手引きを?
ソマ先生?
ソマ「・・・」
脱出 5日前
ソマの診察室
山積みのノートを
抱えてソマの診察室に
入って来たシウス
ソマ「何事ですか?」
そのノートを
ソマの机の上に置いた
シウス「・・・
・・・欲しかったんだろ?
ソマ「・・・」
シウス「リリアが
最期を迎えるまで
願いを叶えてあげたい」
ソマ「旅行ですか?
それがどんなに
愚かなことなのか?」
シウス「・・・頼む
・・・せめて
このノートを
買い取ってくれ
ソマ「・・・」
シウス「・・・わずかな金額でも
・・・いいからさ」
ソマ「・・・」
回想 終了
駅前
ソマ「引き出し方は
理解しましたね?」
シウス「なんとか」
ソマ「10億あります
精神障害者の身体でも
それだけあれば
1年は旅行できるでしょう」
ソマ「何かあったら
そのお金で
”あらゆる手段を”使いなさい?」
シウス「・・・助かったよ」
リリア「・・・10億も!?
シウスどういうこと!?」
シウス「・・・
(説明すると
嘆くのだろうな・・・)
シウス「(・・・どうすれば)」
当院は
シウスの両親から
多額の援助を受けて居ましてね
シウス「(・・・え?)」
ソマ「その1部を
返しただけですよ?」
リリア「そういえば
シウスは両親に
お金の力で病院に
幽閉されてたんだっけ」
ソマ「現在地を教えていただければ
薬も送ります」
リリア「(・・・ちょっとまって
だからって
そんな犯罪まがいなことまで?)
シウス「助かるよ
行こうリリア?」
リリア「・・・う・・うん」
ソマ「行きなさい?
そしてお幸せに」
リリア「・・・ソマ先生?」
ソマ「・・・どうか
幸せに満ち足りた笑顔で
死ねることを願っています
リリア「・・・
自然と涙が零れてきた
ソマの その優しさに
リリア「・・・ありがとう
・・・ありがとう・・ございます
シウス「・・・」
シウスとリリア
二人は列車の乘り
居なくなった
ソマ「・・・」
ソマ「・・・
シウスさんの作品を
うまく使えば
最低でも100億は
いくでしょうけどね
ソマ(・・・ただ
・・・割に合わないですね
・・・危険な橋を渡ることになるので
列車内
シウス「どこに行こうか?」
リリア「・・・」
シウス「リリア?」
リリア「(・・・
・・・聞くのやめておこうか
・・・1年しかないし)
リリア「・・・どこへ
・・・行こうかな
シウスと初めて
外に出れたときのことを
思い出した
リリア「・・・じゃあ
・・・海に・・行きたいな
リリア「世界から隔離されて
情報も得る手段がなくて
何も知識がない私たちが
どうやって旅行するの?
シウス「・・・」
シウス「決まってるだろ?
列車に乗って
行けるところまで
行くんだよ?
リリア「(・・・そうなんだよね
・・・私たちには
そのくらいしか
考えられないんだ
リリア「(でもね
旅行かぁ
リリア「(・・・
初めてだなぁ
リリア「シウス?でも
その旅行のやりかたって
旅行って
言うのかな~♪?




