1話 わかる
精神科病連
ソマ「体調は
どうですか?」
生きてて良い事があるんですか?
よく この歳まで絶望しないで
生きてたと思いますよ」
ソマ「・・・」
で?
今度は俺を
どんな障害にしたい?
うつ病?
双極性障害?
統合失調症?
自閉症スペクトラム?
担当医が代わる度に
障害名もコロコロ変わるよね?
ソマ「はやく寛解して
社会復帰してくれれば」
・・・
”社会生活を
したことがないんだが?”
今さら完治したって
どうすればいんだよ!?
・・・もうさ
楽しい事できる時間は
おわっただろ!
今さら治っても
老いて死ぬだけだろう!!
ソマ「・・・」
ソマ「私は貴方の
障害を寛解させるのが
仕事です
はやく そうなって
私の仕事を減らしてください」
診察室を出る
・・・あれだけ感情のまま
叫んでも あの反応
いや
”医者になんか”
なぜ期待する?
・・・あの?
・・・大丈夫ですか?
誰だ?
「通りかかって
苦しんでいるような声が
聞こえたので」
・・・
・・・君に何がわかる?
子供の頃から精神障害者で
何もない俺の何がわかる?
「・・・
わかると言ったら
おかしいですか?
誰が
わかるって言うんだ!
わかるわけねえだろ!
こんなの!!
怒りのまま
その人を振り払う
その人のバッグが
床に投げ出され
中身が散乱した
・・・
・・・それって
落ちた物を
拾い集める
その人
「これは
私が死なないために
必要な物です」
・・・
「フフ
驚かないのですね
”健常者が見れば”
ドン引きするほどの
薬の量ですよ?」
・・・
(・・・今さら)
俺は
”普通の人間ではない”からな
そのくらいの薬の量
当たり前だろ?
私が
言うのもなんですが
これを
普通に感じたらズレてますよ?
あぁ
ズレている
俺にも
そのくらいの薬が
必要なんだ
「なら
私と同じですね
・・・君も
・・・俺と同じ?
「私も
子供の頃から精神障害者で
何もないですから」
「学校も部活も青春も
社会生活も
学ぶ事も人として生きる事も
働く事も
許されなかったですから」
(・・・この人は)
「私たち
気が合いそうですね?」
理解してくれる人間に
出逢った事はない
”同じ人間”に
出逢った経験もない
・・・何がわかる
そう言い放ち
立ち去って
自分の病室に戻る
翌朝
いつもの
人気の居ないフロアの
イスに座る
「おはようございます
今日もお互いに
死に損ないましたね?」
・・・あいさつとして
・・・それは
・・・どうなんだ?
「眠りについて
運が良ければ
死んでるかもしれないでしょ?
私も貴方も
死ぬ事ができない精神障害の苦しみを
抱えているのかと思って
死ねたら・・・
死んだ事はないですが
苦しまなくて済みそうなので」
・・・
・・・なんで
・・・わかるんだよ?
「フフ
出逢った時に
”わかる”って
言いましたよ?」
君も俺と同じなのか?
聞きたくなったが
君の名前は?
「リリア」
「そう
呼んでください
シウスさん」




