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跡目争いはパンケーキを添えて

作者: ゆいか
掲載日:2025/01/24

コメディのつもり、です。

うん。なんかもう、どーでもいいや~。


投げ出したくもなる。


うざったすぎて。


それ、いらんし。


要らない、と思ったのは、王位継承権だ。

もともと六番目の王子でいなくても問題ない。

異母姉である王女たちを含めれば、さらに問題なく王族を辞められるはずだ。


目の前の異母兄が、ほんとうざったい。


「どうかな?レイリアス」


「お断りします。そもそも僕はまだ13歳ですし」


「君の才能は把握しているよ。年齢など些細なことだろう、気にする必要はない」


にこにこといい募る、美形の異母兄。さすが王族、発声練習もしているから、声もよく通る美声だ。

八歳の年の差のせいか、気にする必要はないと軽く言ってくれるが。


いや、大事だと思うよ?職場の空気。年齢差って、話題にも関わるし。前世を鑑みれば確実に。

第一、面白くないだろう、平均年齢30歳以上の魔導師の中に、いきなり13歳の子どもが上司として来たら。

いくら王族、王子とはいえ。

しかも、やたらとプライド高い魔導師たちが揃っている魔塔の塔主とか。


うん、やっぱり父上にお願いして、留学しよう、そうしよう。

異母兄たちの王位争いに、巻き込まれるのはまっびらゴメンだ。


「僕にはまだ無理です、カイ兄上。このお話はなかったことに。それでは、ごちそうさまでした。これで失礼いたします」


お皿の上にあった果物もクリームもソースもしっかり完食して、返事を待たずに立ち上り一礼して、さっさと歩き出した。

うん、パンケーキは美味しかった。ふわふわで、あの薄さを出すのは難しいだろうに。味も軽めでお茶にはちょうどいい。さすが美食家のカイ兄上。

引き止められなかったし、今回は兄上としては様子見かな?


王城のカイ兄上の応接室から、自室に戻るため、王宮に向かう。

王城は王が政務をとるためのもの、あとは儀式のための大広間やら謁見室がある。

王宮は王の私生活の場で、妃や子ども達も王宮に部屋を与えられて暮らしている。

まだ成人していないオレは、王城には個人の部屋がない。

王子たちのための儀式用の控室はあるが、寛げる所ではないし、予定が無ければ閉まっているはずだ。


まずは王宮の自室に戻り、父である国王に手紙を出して、留学のことを頼まなければ。

国費での留学だから、それなりに手順が要るだろう。ふう。


母は子爵家の出で、側妃だ。

半年前、里帰りの許可が出て一緒について行った。

同母兄妹はいないから、ある意味一人っ子で。


そもそも野心のない母とその実家、辺境伯の分家の分家で、武力魔法が一番、の脳筋家系だ。

母が側妃になったのも、王宮の警護がメインだという話である。

実際、王妃さまや側妃さまたちとは仲が良く、母は父や妃たちの警護を喜んでやっている。


結果、おれ自身は、異母系の兄弟たちと、そこそこ仲は良い。正直助かっている。


で、スタンピードがあったんだよなー。母の里帰りの時に。

そこでやらかした。

盛大に魔法をぶっ放しました。だってやりたかったんだもん。せっかくのチート!!


その結果カイ兄上にバレて、お誘い受けてる感じです。あー、いらんわ。


カイ兄上は第三王子だ。王位継承争いをしているのは、上から二人、そして、それぞれ同腹の兄弟が味方についてるから、第一王子を推している第四王子、第二王子を推している第三王子と第五王子、で、兄弟のいない自分、第六王子のオレ。実力はどっちもどっち、派閥の勢力もどっちもどっちで、決まらないんだよなあ。ま、決めない父上が一番悪いと思うが。


決まれば後腐れ無く、けっこう上手くできると思うんだけどなあ。どっちも性格良いし。

おバカな内乱を起こすタイプじゃないし。


王宮に着くと、専属侍従のロタが待っていた。

「第四王子から、午後のお茶の誘いが届いております。」


「え?あー、そっちからもかー。行くしかないか」

ふう、とため息。さすがにこの状況では断れない。

話を聞いて、明確にどちらの陣営にも入らないことを伝えないと。


「お菓子は何かなあ。」

「レイリアス様がパンケーキをお好きなのは知られておりますから。おそらく」

「さっき食べてきた所だよ、カイ兄上の所で。別なのだといいけど」


おそらく張り合ってるから、パンケーキだろう、トッピングは変わるだろうけど。

どちらが美味しい?とか、聞かれたらヤダなあ。


ほんとに早く留学しよう、そうしよう。

パンケーキを嫌いになる前に。



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