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2人目のメインヒロイン 北条花蓮

 六限目で居眠りをこいていると、知らぬ間に学級委員長にさせられていた。

 本来は男女一名ずつが選考されるのだが、朝霧ハクの性格と優秀さを鑑みて俺一人になった。


 なんでだよ、おかしいだろ。

 

 和樹の話によると、恵梨香が俺と組みたくてブーブー文句を垂れていたらしいが、担任が強めに突っぱねてくれたらしい。

 助かった。放課後に二人きりにされたら何をされるかわからんからな。


 (それにしても、学級委員長に関連するイベントなんてあったかな……)


 確かそんなイベントはなかったはず。

 多分日常的に消費していいパートだと思う。


 今日はこれから各クラスの委員長が集う一大集会——長いから委員会と呼ぶ——があるが、そんなものはテキトーに過ごして、今後の対策を考える時間に充てたいところだ。


 恵梨香はもうどうにもできないから諦めるとして、他のメインヒロインたちをどう対処するかだな……。







「と、いうわけで、わたくしは二年C組の北条花蓮(ほうじょうかれん)ですわ。高校二年生ながら海外留学の経験があり、全国模試では常にトップの成績を取るわたくしが、この会の指揮を取らせていただきます。くれぐれもおかしな真似はしないように、よろしくお願いしますわぁ!」


 放課後。

 

 委員会が始まってすぐに、よく知る人物が高らかに宣誓した。


 (マジか……そうだ思い出した。あまり目立つ設定ではなかったけど、北条花蓮は俺の隣のクラスの学級委員長だったな)


 金髪の縦ロールに高飛車な雰囲気、傲慢な言動、普通の生徒とは違う特注品の赤と黒のドレスみたいな制服。

 そして、たわわな胸に細くて長い足……彼女こそ、二人目のメインヒロインだ。


 名前は北条花蓮(ほうじょうかれん)

 ここ私立向日葵高校の学園長の一人娘だ。

 そして当たり前のように金持ちだ。


 文武両道で才色兼備、見た目とスペックだけなら非の打ちどころのない人間だと思う。


 まあ、実は色々と残念な部分があるんだけどね。


「早速、本題に入りますわ」


「ほ、北条さん」


「なんですの」


 花蓮の言葉を遮ったのは、最前列に座るモブ男子Aだ。ちなみに俺は最後列の角の席にちんまり座っている。


「自己紹介はいいんですか……? これだけの人数がいますし、最初はそこから始めた方がいいと思いますが……」


「何を勘違いしているのかしら? わたくしはあなた方の名前を覚えるつもりなど毛頭もございませんわよ? よろしくて?」


 なんとも彼女らしい理由だった。それがまかり通るようではいけないとは思うが、花蓮には基本的に誰も何も言えないのが常だ。


 ゲームでも傍若無人に振る舞っているシーンをよく見た。

 その度に周りの生徒からは陰口を叩かれ、多方面から嫌われているキャラクターだった。

 そこに手を差し伸べるのが、主人公の一ノ瀬和樹だ。

 バカだからこそ無尽蔵の優しさを持ち、彼女に寄り添い慰め、急激に仲を深めていく。


 (まあ、北条花蓮も恵梨香と同じく凄まじい爆弾を抱えてるんだけど……)


 やっぱり関わりたくない。内情を知るからこそ丁寧に接しないといけない。


「続けますわね。今日の本題ですが、まずは皆さんにはテストを受けていただきますわ」


「はぁ? なんでですか?」

「テストなんて聞いてないよー」

「そんなのやって意味あるんですかね?」


 方々から文句が飛び交う。当たり前だ。

 委員会に来たのにテストを受けるなんておかしいからな。


 しかし、花蓮は呆れたように溜め息を吐く。

 まるで自分が完璧に正しいかのように、瞳を細めて皆を睨みつけていた。


「学級委員長というのは各クラスの顔ですのよ? 業務は多岐に渡り多くの行事で忙しい日々を過ごします。勉強もまともにできない愚かな方が務まる役割ではないのです。おわかりかしら?」


 おわかりかと聞かれたら、おわかりだ。

 半分くらいは、おわかりだ。


 確か、私立向日葵高校は自主性を重んじるとかなんとか言って、生徒の活動が他校に比べて活発なのだ。

 イベントの数も多いし、その期間も長かったりする。

 勉強のできないやつに両立は難しい。


 エロゲの都合でそういう設定にしてるだけなんだけど、花蓮からすればそんな事情は知らないわけで……真面目に取り組もうとしてるってわけだ。


 傲慢で偉そうな北条花蓮という女子生徒だが、実際は真面目で負けず嫌いだったりする。

 真剣さは誰よりもある。


「反論なし。というわけで、わたくしが配布する独自のテストを受けてくださいまし。合格ラインはこちらで決めているので、くれぐれも手を抜かないこと。答え合わせをすれば一目でわかりますのでね?」


 花蓮は不敵に笑った。

 怖い。腹黒とは少し違うが、見た目に反して性格がどぎついから困りものだ。


 おまけに彼女は……いや、今は考えるのをやめるか。


 多分、テストのボーダーは80点くらいな気がする。


 厳しめな彼女だからこそ高めに設定しているはずだ。


 じゃあ俺は70点を目指す。高くもなく低くもなく、惜しくも点数及ばずで学級委員長を辞退させてもらう。


 その後はどうなるかわからないが、学園長の一人娘が決めたことなら誰も文句は言うまい。


 






お嬢様系ヒロインの登場です。

おほほほほほって感じ?

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― 新着の感想 ―
これ,テストめっちゃ難しいんじゃないか?
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