”愛の手”
私は1週間後に、”結婚式を控えていた。”
3年付き合っていた彼氏とやっと結婚する事が決まったからだ!
私は、何度この日を望んでいた事か?
ウエディングドレスを着て、皆に祝福される場所に私はやっとたどり着くのだ。
家族や親戚、友達に会社の同僚、”幸せの瞬間が刻々と近づいて来る。”
大好きな彼との結婚式。
私は完全に浮かれていた。
久々に彼氏の許可を取って、友達とバカ騒ぎをする事になったこの日。
随分お酒に酔っていた私はタクシーで家の前まで送ってもらい、
横断歩道を渡る瞬間に事故に巻き込まれてしまう。
トラック運転手の居眠り運転による事故だった!
私は浮かれた気持ちが一気に冷め、トラックに一瞬で轢かれた。
その後、救急車や人の騒ぎ声、警察もきていたと思う。
そこに”男性の大きな手で私を優しく覆いかぶさってくれていた。”
その後の事を、私は何も憶えていない。
次に意識が戻った時は、病院のベットの上だったからだ!
*
・・・でもこの事故で私は多くのモノを失くすこととなる!
麻酔から覚めた私が見たモノは?
両脚と左腕がなくなっていた事だ!
それだけ大きな事故だったのだろう。
トラックの運転手は軽い怪我をしただけだと聞いている。
それでも私は彼と”結婚できるものだそう思っていた。”
でも? 彼が私の病室に来るなり、私に言った事は、、、?
『”すまない! 結婚式は取りやめになった! それともうキミと付き合っ
ていくのは俺には無理だと思う、キミにはキミにあった男性を見つけて
ほしんだ! 勝手な事ばかり言って本当にすまない、でも、”』
そうやって彼は、私にそう言葉を残して病室を後にしたわ。
私はこの事故で、両脚と左腕をなくし、愛する彼も失ったの!
私は完全に生きる希望を失くしてしまった。
リハビリも受けないと駄々をこねたし、病室でただただ窓から外を眺める
日々が続いていく。
そのうち、私はリハビリを一度もする事なく退院する事となったわ。
体は良くなり、退院してもいいと病院の先生から許可が出たからだ!
・・・病院を退院した私は実家に戻り、家族に世話をしてもらいながら
生きるしかなかったの。
母親に当たり散らし、ただただ人に世話をしてもらいながら生きていた。
そんな時、一人の男性が私の家を訪ねてきてくれたの。
その人は”私が交通事故に会った時に優しくしてくれた男性だったの。”
彼はその後私が、どうなったのか心配して私の住んでいる場所を調べてお見舞い
に来てくれたと私と母に話してくれたわ。
私は私を助けてくれた彼に”感謝の気持ちと淡い恋心のようなモノを感じてたの。”
それからは、私のリハビリや気晴らしにいろんな所に連れててってくれたわ。
『・・・どうしてそんなに、私に優しいの?』
『僕の妹も車椅子に乗っててね、14歳の時に事故で両脚を失ったんだ。
でも? 妹は今では一人で何でも出来るし、一人暮らしもしてるんだよ。』
『・・・妹さんが?』
『”だから君も大丈夫! 何でもこれからは一人で出来るようになるはずだ!”』
『北野さん。』
『僕も手伝うから! 一緒に頑張ろう!』
『・・・うん!』
・・・彼のおかげもあって、私は前向きに考えれるようになっていった。
それから私は彼から、”私と付き合ってほしいとも言われたの!”
こんな体の私と本当に付き合ってもいいのかと彼にたずねると?
彼は”勿論”と答えてくれたわ!
それが何よりも私は嬉しかった。
”元カレは、私のこの体を見て私を見捨てたから!”
私は彼と一緒に生きていこうとこの時、決めたの!
*
・・・それから1年後。
私は以前、結婚式を挙げるはずだった、あの場所に来ていた。
今度は今の彼と結婚式を挙げるの。
たくさんの人達に祝福されながら、私はウエディングドレスを着て車椅子に
乗って会場に出たわ。
隣には父親とね。
こんなに幸せな結婚式はないと思ったぐらい、私は幸せに満ち溢れていたの!
こんな私をお嫁さんにしてくれた彼には感謝しかないわ。
どんなにこの先の人生が大変であっても彼となら乗り越えていけると思う。
今は、この幸せをただただ噛みしめていたいの!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。