魔界戦記九
コンコン!
「失礼します!」
「ちょっと!博士!失礼過ぎます!」
「待ってください!自分から‥」
「もう、入ってるだろ」
隊長が呆れた顔でこちらを見ている。
「で、要件は?」
「隊長、魔人に対抗する術を博士が提案してくれました」
「何?」
博士と助手は隊長に説明した。
「それは可能なのか?」
「はい!技術的な問題は無いかと。」
「ですが、少し問題が‥」
「問題?」
「結晶が少なく、5人までが限界かと」
「なるほど」
「では、魔人との戦闘を既に経験している。カイト、ユウキの二人を先に、後の三人はこちらからデータを送るのでそちらで決めてくれ」
「そんなにあっさり決めていいんですか!?」
「何だ?カイト一等魔兵、不満か?」
「いえ、そう言う訳では」
「ならいいだろう、これで決まりだ!」
「結晶については、こちらで収集してみる」
「後、実験には、私も同席しよう」
「よくやった、これで魔人と戦える」
「では、この決定で異論は無いな?」
「はい!」
「失礼しました!」
「案外、すんなり通りましたね!!」
喜ぶ助手
「そうだな!、では早速で申し訳ないがカイト君。武器に魔力をじゅうてんする!」
「武器を持って研究室に集合だ!」
「はい!」
そして武器を持って研究室に行く。
「では、始めるぞ!」
「魔力充填!」
結晶の光を虫眼鏡見たいな鏡に一点に集める。俺の黒龍に魔力が入って行く。凄い光だ、キィーンと音を立てて強い光を放つ。
黒龍の色が黒から七色に変化し、そして赤色に落ち着く、
鮮やかな紅色。凄く綺麗だ。
「よし!カイト君!魔力の同期をしてくれ」
魔力の同期。自分の武器に魔力を込める。
重い魔力だ。粘土をこねくり回してるよだ。
混ぜていると黒龍が赤黒く血みたいな色になっていた。
「終わりました」
「終わったか!では、魔力を解放してくれ!」
「魔力解放!」
スーッと見た目が変わっていく。全身からユラユラと赤黒色の魔力が溢れ出る。
爪が少し尖り。髪が逆立ち。肉体が野性的になって来る
「凄いぞ!成功だ!」
隊長が険しい表情で俺に質問して来る。
「気分はどうだ?」
「今の所は問題ありません、逆に感覚が研ぎ澄まされて、気分がいいです。」
「そうか」
「じゃあ、今度は魔力を切ってくれ!」
いつもと同じ要領で魔力を断つ。すると元の姿に戻っていく
変身が終わると疲労感に襲われる。
「もう一度聞く。気分はどうだ?」
「いつもよりは、疲れます」
「そのようだな、明日からこの変身に慣れるよう訓練するように」
「はい!」
「では、私は隊長室に戻る。また何か分かったら直ぐに報告するように」
隊長が研究室を出て行く。
「カイト君!大丈夫か!?」
二人が駆け寄ってくる。
「大丈夫です」
「データは取ったから今日はもう帰って休みなさい」
「あ、はい。ありがとうございます」
俺はフラフラになりながら部屋に戻る。この状態じゃあユウキの所へは行けないな。
直ぐ様シャワーを浴びてベットに着くと気絶するように眠ってしまった。