魔界戦記五
青年に道案内をさせる。こうい時に俺の武器、黒龍はとても便利だ。黒い球の形状を自由に変化させることができる。絨毯のように薄くし、3人を乗せて目的地まで急ぐ。
青年の状態、そしてここが魔界ということ。最悪の事態を想定する。緊張が続く中、俺の魔力探知機に反応が出る。
一つの大きい反応と複数の小さな反応。少し希望が見えた。
「あ!あそこです!」
青年が指を差した方向に目を向けると。3体の魔獣に襲われている人達がいる。
襲われているのを確認できた瞬間、ユウキが槍を構え後ろから挟み撃ちの形で攻撃する。
綺麗な三連撃が決まり3体の魔獣を撃破する。俺と青年は襲われている人達に駆け寄る。3人の内の1人が魔力で守っていた為、最悪の事態にならずに済んでいたのだ。
青年達の感度の再会。
「抱き合っている所悪いが、近くにまだ魔獣の魔力を感じる。
急いでここから離れよう」
そう言うった直後、ズドンっと上空から人が降りて来た。
「座標がこんなにズレちまった。魔王様にまた怒られる」
座標?魔王?何か聞き慣れないことを言っている。
「しかも、先に軍隊の奴に見つかっちまうとはよ、ついてねーな。」
「ま、なんでもいいか」
ドン!一瞬だった隣りに居たユウキが後方へ飛んだ
蹴られたのだ、あの重い装備ごと。
「まずは、1人」
「黒龍!」
その掛け声共に黒龍が左手に盾、右手に剣となった。
残りの黒龍は青年達を覆い始めた
「なんだそれ?初めて見る武器だ」
「関係ないけどね!」
敵は武器を持っておらず素手で向かってくる。速いし重い、
ガードするのが精一杯だ。
「オラ!オラぁ!」
怒涛のラッシュ。何処かに隙はないか、そろそろ限界だ。
その時、後方に大きな魔力を探知機が察知する。
その魔力に敵も気付いたか、一瞬の隙が生じる。
ここだ!右手の剣を相手の左脇腹に突き刺す、がギリギリの所でかわされてしまった。だが切り傷程度のダメージをおわせることができた。
相手はそんな傷に怯むことなく。先程の魔力に一直線に向かっていった。その先には、最初にやれたはずだったユウキが槍を構えて居た。
「まだ生きてたか!」
ユウキの槍の先端に魔法陣が形成される。
「魔装解放!雷装インドラ!」
雷鳴と共に槍の先端から稲妻が走る。
「そんな技躱すなんて余裕なんだよ!」
その時、胸から一本の黒い針が出てくる。
「な!?」
先程切り付けた、黒龍が敵の傷から侵入。少量だか胸から突き出させることによって一瞬の怯みを与える。
その一瞬が躱せるはずだった技を必中へと変える。
ユウキが放ったら雷槍は敵の右胸に大きな穴を開けた。
「く、くそがぁー!」
「まだ生きているのか!?」
俺はユウキと再度立て直す。
敵は、ユウキの一撃でかなりブチギレている。
「絶対に殺す!確実に殺す!直ちに殺す!」
敵から溢れ出る魔力で、魔力探知機がエラーを起こし、周囲の木々が赤色に変色し始めた。
「魔装解放」
胸の穴が塞がっていき、両腕には赤く燃え上がる様なガントレットが装着される。
肌の色が黒くなって、腕の刺青が赤く浮かび上がる。
「じゃあ死ねよ」
俺とユウキは死を覚悟した