魔界戦記3
基地から戦闘車両に乗ってポイントへ向かう。魔界とは、魔力汚染が広がっていて人が住めない場所のことを指す。
一説によると、そこの地中に巨大な魔力を秘めた、何かがあるらしく、そのせいで人間が対応できない程、魔力で汚染されてしまっているだとか。
そんなに濃い魔力に長時間さらされると生態系が独自に進化して、そこにいる猛獣共は、総じて魔獣と呼ばれるようになった。
道中、班長から今回の作戦の概要を指示される。
「この第3班を任された、班長のミツイだ」
「今日の作戦を改めて確認する。今回は次回の為の準備をしに行く、キャンプ地の設置とその拠点の安全確保だ。」
「今回の作戦はかなり長期的になる予定だからな」
ミツイが話していると俺の横に座っている、ユウキが質問をした。
「班長!魔獣討伐は、今日はやらないってことですか?」
班長が答える。
「今日はそのつもりだ、魔界と言っても最深部ではない。危険度、汚染度共に低い場所だ」
「残念がるな、ユウキ一等魔兵、お前らには後々活躍してもらう。」
戦闘車両が停まる、着いたみたいだ。班長が声を上げる、
「お前ら!魔力解放を許可する!」
その合図と共に6人全員が魔力を解放する。先程まで重たかった装備が嘘のように軽くなる。
班長が全員に注意をする。
「魔力をあげすぎるな!魔獣が寄ってくるぞ!」
車両からでるとそこに広がるのは、七色の美しい葉で彩られた巨大な花、渦を巻いた巨木に地面が波の様にうねって見えたりと、まさにファンタジー。一瞬、夢のようなおとぎ話の世界に入ったと錯覚するほど強烈な光景である。
最後に降りた班長が指示を出す。
「まずは周辺の安全確認だ、二人一組になって辺りの安全を確保してくれ」
「現時刻1000時、終わりは1200時だ、何か問題が発生した時は、速やかに報告、魔獣と接近した際も同様に報告。指示を待て」
「以上!作戦開始!」
ユウキと俺は組んで行動することになった。