魔界戦記
今日もまだ夢の中、この世界で私は死にたいのだ。
夢から醒めないうちに。
ガタンガタンと揺れる車の中、肩を叩かれ目が覚める。
「おい、起きろ。着いたぞ」
足元にある荷物を取って車から降りる。
眼前に広がるは、筋骨隆々の男達の綺麗な隊列。
教官の怒号と隊員達の掛け声。ここは軍隊だ。
「整列!」
俺を含めて車から降りた人達が綺麗に隊列を組んだ。
メガホンを取った人が話しを始めた。
「あー、聞こえますか?」
「私が今回君たちを指揮することになった隊長のミシマだ」
「知っていると思うが、近年、魔獣の動きが激しくなっている。」
「我々の部隊はその原因の追求と魔獣の殲滅だ」
「名誉ある任務を君たちと共に行えることを誇りに思う」
「日々の訓練の成果を存分に発揮してくれたまへ、以上」
「解散!」この掛け声と共に事前に割り振られた部屋へと、
皆帰っていくのであった。
部屋は二人部屋。当然もう一人いるはずだが、まだ部屋には来てないようだ。
一人で荷解きをすませ。本を読んでいると。ガチャっと扉が開く音がした。
扉のまえに立っていたのは銀色の短髪でキリッとした目の男
「失礼します!」
「今回一緒の部屋に住むことになった、ユウキ一等魔兵です」
「よろしくお願いします」
いきなりの挨拶で少し遅れてしまったがこちらも挨拶をし返す。
「私はカイト一等魔兵だ」
「よろしく」
お互い挨拶を済ませ、私は移動で疲れたせいか直ぐに寝てしまった。