<エキドナ>強襲作戦 其の五
敵の奇怪な行動の心理。
まるで理解ができなかった。
しかし、それはバンディック以外の認識であり、バンディックにはとうとう理解できた。
(あの陣形の裏!あの裏に、何かあるッ!!)
敵陣形の裏に気をつけろ。
そう言おうと、バンディックが息を吸い込んだ瞬間のことであった。
”パァンッ”
重く、高らかな金属音が、この場にいる全員の耳に入ってくる。
<アポロン>の攻撃でも、ナイトモスキートの小隊から出た音でもない。
━━そして、敵の航空戦闘機から出た音でもない。
”ドオォォォォンッ”
寧ろナイトモスキートの小隊の内の一機が、無惨にも爆発した。
知っていた。
あの戦闘機たちの後ろに、まだ何かがいるのは。
すると、その後ろで控えているであろう者達の声が入ってくる。
「ありがとうなぁ、ここまで運んでくれて。お陰で、容赦なく彼奴等の胸を撃ち抜ける」
その言葉を聞いた瞬間、バンディックの口は既に動いていた。
「全機ッ!防御態勢を取れ!!」
しかし、
”パァンッ”
無意味。
小隊の内の一機が、またもや爆発し、宇宙の塵となって消えていく。
敵の武器の威力が高すぎる。
しかし、まだ敵の猛攻は止まらない。
「「「ウオオオオオォォォォ!!!」」」
雄叫びにも似た、大勢の叫び声。
どこか勇気に満ち溢れた声が小隊の兵士全員の体を痺れさせる。
小隊に動けない者たちがいる中、敵の航空戦闘機が全機、こちらに突っ込んできた。
連鎖する小さな爆発は、最終的に航空戦闘機が全滅するまで、つまり残り約40機分にもなる爆発がナイトモスキート達の眼前で連鎖的に起こった。
小隊の兵士達の悲鳴、死を覚悟し、ただ黙った者、様々な者がいたが、最終的には爆発が終わった時、完全に無事な機体は残り9機となってしまっていた。
「……何が、起こった……」
爆風が徐々に晴れ、バンディックの目の前には、3機のASCOFが存在している。
「ガァル大佐、残りは9機です」
若い男の声。
「OK。じゃあ、残飯処理と行きますかァ」
そして渋い、年の取った男の声が同時に聞こえる。
その渋い声の男が聞こえなくなると同時に、突如、目の前のASCOFがこちらに剣を抜きながら突進してきた。
「ヒート・ソードッ!!」
バンディックのナイトモスキートも素早くヒート・ランスを抜き取り、瞬間、鍔迫り合いになる。
「ホォ。<アポロン>の野郎共は馬鹿か戦闘経験のない雑魚ばかりだと思ってたが……。やるやつもいるじゃないか。名前を教えてくれ」
「お前なんかに教える名前はないッ!」
「そうか。なら、俺だけ勝手に自己紹介させてもらうぜ。俺の名はガァル・アル・ロイヤル。<エキドナ>で軍人をやっている。俺のこのASCOFは『ヴァリアブルピッグ』。そして、改造を加え、カスタムした、『ヴァリアブルピッグ=MK3カスタム・改』だァ!」




