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意外性

何日ぶりだ……?


わかんないけど、やっと本編更新です。長かった。

 マヒルの話を聞くため、別の場所に移動した。

 どうやら、アサミだけ(・・)に話があるらしく、あの場では言いにくい雰囲気もあったのだろう。


 因みに、今部屋ではマルコヴナが他二人から質問攻めを受けている。


「で、話ってなんなの?マヒルから私に話し誘ってくるなんて。あ、まさかデートのお誘いとか〜?」


 アサミはニヤニヤしながらマヒルを見つめる。


「違えよ……そうじゃなくてなぁ……」


 マヒルの様子がなんだかおかしい。

 いつもなら、


『バッ、違げえよ!そうじゃねンだよ!』


 みたいな、キレのあるツッコミなのだが、今はそのキレが失われている。

 どういうことなのだろうか。

 そんなに深刻なことを報告しなければならないのであれば、アサミもそれ相応の対応をするべきだと思い、ニヤニヤした顔から一変、真面目な顔へと変貌した。


「実は……兄貴が兄貴と俺とアサミで一緒に食事しながら話でもしないかって、言われてさ……」


「━━へ?」


 アサミの口から思わず間抜けな声が漏れた。

 予想もしていなかったその発言に、アサミは驚きを隠せない。


「えっ、それって、ピーターさんと食事する……ってこと?」


「━━あぁ」


 マヒルの兄はピーターだ。

 それは、マヒルの性がウィッグネンであり、ピーターもピーター・ウィッグネンという名前であることから事実なのだということは誰にでもわかることだ。

 しかし、ピーターは、またなんでそんなことを提案してきたのだろうとつい考えてしまうが、そんなことを想像したとてあの人(ピーター)の考えていることなど誰もわかるはずはないと自分の中で自己完結した。






 そして、ピーターとマヒルとの食事の当日。


(良かった……お金はあって……)


 もう既に過去の出来事となってしまったが、ミナミ鉄工所に運び込まれたスノウラビットを製造するための国からの資金およそ3万ドル(日本円にしておよそ300万円である)を受け取り、その四割をタツロウから受け取っていたため、アサミはこの食事会に合わせて高いドレスを購入した。

 正直、まだまだ財布には余裕がある。


 そんなドレスを着込み、指定された場所の<ノア>の商業地区の奥の奥の高そうなレストランの前に立つ。


(ほ、本当にここで合ってるんだよね?)


 少々不安になりながらも、アサミとしてはこんな場所初めてであるため、ワクワクもしていた。


 

 店内に入ると様々な装飾が壁や天井を彩っているカウンターへとたどり着いた。

 そこには一人の店員がいるだけで、他は全て電子的な半透明のウィンドウパネルが至るところに設置されているだけであった。

 自分で操作しろということなのだろうか。

 何もわからないままウィンドウの前に立ってみるが、意外にも触ったこともない物であってもなんとはなしに操作は分かった。


 これも、ASCOF(アスコフ)の元で働くということなのだろうか。

 電子機器の操作は一通り分かった。


 しかし、アサミの中では未だに不安が募っていく。

 何故か? マヒルが未だにどこにいるのか分からないからだ。


 もう既に店についているのかも分からないまま、今はただ目の前のウィンドウを触る。




 一通りの工程を済ませ、カウンター横に置いてある椅子にひっそりとアサミは座っていた。


(……二人共、まだ来ないのかな……)


 目の前ではスーツ姿の男が先程アサミも使ったウィンドウを操作している。

 アサミよりも慣れた手付きであるため、こういう店には慣れているのだろう。


 その男はアサミの前に立った。

 カウンターの店員に話しかけたいのだろうか。

 どうやら、邪魔になってしまっているようだ。

 アサミが椅子を立ち、別の場所で待とうと考え移動しようとした時、腕が何者かに引っ張られた。


「おい、どこに行こうとしてるんだよ」


 聞き馴染みのある声。

 振り向くと、さっきのスーツ姿の男がいる。

 そのスーツ姿の男が腕を掴んでおり、アサミは何をやらかしたのだろうと混乱に包まれる。


「……気づいてないのか?俺だよ、マヒル・ウィッグネンだよ」


「……え?」


 スーツ姿の男は、他人ではなく、マヒルであった。

 しかし、気づくこともできないだろう。

 跳ねている髪の毛は真っ直ぐに整えられ、まるで兄のピーターのような見た目に近くなっているのだから。


「兄貴はもう店の中で待ってるらしいから、早く行くぞ」

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