獣を睨む眼
約二日ぶりの投稿となります!
そして、この回から新章がスタートします!!
「それで、次の案件なのですが━━」
ニアールが言いかけた時、目の前にウィンドウが広がる。
「ジャイアントパンダの討伐、成功……!?」
「こっ、これは……!」
その場にいるニアール、オーゲル共に驚いた。
今は、2つの国、<イカロス>と<ノア>の今後の政策や方針についての話を繰り広げているところだった。
この部屋はアサミとマルコヴナも来た<イカロス>の政府応接室である。
やはり豪華な装飾品が目につくが、この二人からすればもうなれた光景ではある。
「こんなに早いとは……驚きましたなぁ……」
オーゲルが漢感の声を漏らす。
実際、内心では本当に驚いていた。
「わ、私も驚きです……せっかく新型の実験のために2、3機ほど送ろうと思っていたのですが……その隙きもありませんでしたね」
「確かに、なかなか強かったですね、ウチの兵士は」
「「━━ッ!?」」
ニアールとオーゲル、二人の驚きの声が重なった。
ニアールの後ろには突如、黒スーツに金髪の背の高い男が立っていた。
「ウィ、ウィッグネン殿……いつの間に……」
「いえいえ、お話が聞こえてきたもので……少しお話しようかなと思いましてね」
ピーターはねっとりと、ニアールの目を真っ直ぐに見据えて言った。
「そ、そうか。で、なんだ、話って……?」
ニアールは、なにか聞かれてはいけない話があったのではないだろうかと思うが、正直、ピーターからすればどうでもいい話ではある。
「そうかしこまらないでください。いやぁ、それにしても、私の軍の兵士は強いですよね。特にアサミ・イナバ中尉は」
「あぁ、そうだな」
「それに今回、あのジャイアントパンダまで倒してしまうんですから。私も少し、驚いてしまいました」
「そうか、私も驚いたよ」
会話にならない。
ピーターは相手と会話をするとき、相手が話しの広がらないような話し方をしているときは、大抵何か焦っているか隠し事をしているかだ。
まぁ、話の広がらない人はごまんといるが、少なくともニアールはそのような人物ではない。
ピーターは話を変えることにした。
このままではどれだけ話しても埒が明かないからだ。
「ニアール大統領。あの案件、とてもいいと思いますよ」
「━━あの案件、とは?」
「兵力増強の話です。いやぁ、新兵器の案、シンプルながら実に素晴らしいと思いました」
「なッ━━!?」
(兵力増強って、やっぱりあの件なのか?だとしたら、何故ピーターが知っている?教えていないぞ!?)
ピーターはわかる。
目の前のニアールは、明らかに動揺している。
なにか隠し事の類だろう。
心の中でピーターはため息を吐く。
「……二アール大統領。何か隠し事をされているようですが……」
「ッ!?ま、まさか、そんなわけがないだろう━━!」
「まぁ、隠し事が無いなら無いでいいのですが……少なくとも、ここで話している様々な情報は外に漏れていると思っておいたほうがいい。実際、アサミ・イナバ中尉とマルコヴナ・ヤーロフさんにはジャイアントパンダの情報が漏れていたのですから。」
「なっ、何が言いたいんだ……!」
ニアールとオーゲルの獣を睨むような眼。
幾度も見てきた眼だ。
ピーターの性格の関係上、この眼は何度も見てきた。
自分が好かれる性格とは思っていない。
こういう眼を向けられるのも当然だろう。
「そう身構えないでください。私が言いたいのは、たまには兵士のことも労ってあげてくださいということです。それでは、私はこれで」
ピーターはそう言い残し、政府応接室を出ていく。
何故いつも、この様になるのだろう。
人間は、いつも醜い。




