弔いの作戦会議
600PVありがとうございます!!
そして何より、「SF 宇宙」のジャンルにて、日間ランキング7位にランクインしてました!(驚)
もっともっと見ていただけるように、しつこいようですが精一杯頑張らせていただきます!
<イカロス>宙域の手前のデブリの山。
その中に密かに息を潜めているASCOFが約三機。
覚えているだろうか。
テイムのバーストタイガーが墜とした<アポロン>のASCOFもといナイトモスキートの部隊。その残存勢力が潜んでいるのだ。
「━━おかしい」
隊長のリボウル・ハルバードが言う。
リボウル・ハルバード。
<アポロン>のASCOF第7部隊の隊長であり、指揮能力はそこまで高くはないものの、自身の戦闘能力、そして手段を選ばない戦い方、そういった戦術を巧みに利用し、これまで数々の戦果を上げてきた。
今までで一番大きな功績はなにかと言われれば特になにもないが、逆に認知されていないことによって敵との戦闘で予想外な戦術をとってもそもそも警戒されていないため対策すらされていないというのを彼は利点と考えているほどだ。
そんな彼でさえ何かがおかしいと思えてくるほどの異常事態とは何なのか。
第7部隊の一人、ゲルク・テラフィが聞き返した。
「一体、何がおかしいんです?」
『どう考えても今頃はビルークとエレンが帰ってきていてもおかしくはないはずなんだがな。残念ながら帰ってきていない。ここは戦死と仮定するのがいいだろう』
「━━ッ!そんなッ!」
そりゃ、リボウルも自分の部隊の隊員が死んで悔しくないわけがない。
だが、その屍の意味を考えるのが、せめてもの弔いというやつなのだろうか。いや、多分それは違うのだろう。
気持ちを切り替える意味も兼ねて、隊員二人に軽い指示を出した。
「<イカロス>を見てみろ」
ゲルクは疑問に思ったまま、ASCOFのズームカメラ機能を使ってデブリの隙間からASCOFの目を覗かせた。
「……特に異変はありませんが……?」
「だろうな。異変が無いことが、逆に良くないんだ。考えてみろ。ASCOF2機が攻め込んだのに<イカロス>はピンピンしてやがる。普通大きい傷の1つや2つあってもいいと思うんだけどなァ」
「━━ってことは、あの二人は何か大きな脅威によって堕とされたということですか?まさか、ありえない」
「そう思いたくなる気持ちもわかる。俺も信じたくはないが、今までASCOFの宇宙獣に感知するサーモセンサーすら反応していないということは、二人は宇宙獣意外の何か大きい脅威に堕とされたと考えるのが妥当だ。もしかしなくても、ASCOFの仕業だろうと考えられる」
「じゃあ、俺らはどうすれば!?」
「そうですよ!こんなところにいたって、エレンもビルークも帰ってこない!」
「そうはしゃぐな。それに、このまま帰るわけもないだろ。ASCOF2機と優秀なパイロット二人を失って帰ってきました、戦果はなしです、すいませんでしたなんて言葉で許される世界でもないし、そもそも俺がそんなの許さない。だから━━」
リボウルから感じ取れる空気感に圧倒された残り二人は、ほぼ同時に唾を飲んでいたことに気づくわけもない。
「━━威力偵察だ。残り、俺を含めた三人は死ぬ必要はない。だが、<イカロス>内部に侵入し、敵ASCOFがどれほどのものかの威力偵察を実行する。勿論、この場にいる全員、死なせるつもりはない。今から行うのは、あくまでも威力偵察だからな」
(こ、これが、二人への弔い……なのか……)
(ここまで来たらどこまででもやってやる!<アポロン>のため!そう考えただけでやる気が出るなァ!)
「「俺らは、行けます!!」」
二人の声が重なった。
リボウルの評価が一番高くなった瞬間であった。
たまにはこうして、他人からの評価を少しは気にしてみるのもいいかもしれない思ったが、この心内が知られるのはなんだか恥ずかしい。
だから、最後の最後までリボウルは強がる。
ここで弱い格好を見せては、彼らに失礼だと思ったからだ。
「あぁ。良い返事だ。では、行くぞ」
「「了解ッ!」」
”ゴオオオオオオオオ”
ナイトモスキートの背中のバックパックが展開、そして勢いよく前進を始めた。
2機のナイトモスキート、そしてリボウルの専用機体。
これから始まるのは、弔いと大切なものを守る為の、初の全面戦闘だ。
ナイトモスキートはコストの高いとされている熱圧縮装備を標準で装備している。
これは、槍という、攻撃可能部位が小さい武器で作っているからこそ、標準でも装備できるコストに抑えることができている。




