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第110話(第11章-最終話)
今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。
「ねぇ、マスター。夜の傍でそっと立ち寄る寂しさは、誰かを心から愛したいと願うの。いつも訪れるこのやっかいな気持ち、どう説明したらいいと思う?」
「人は誰も孤立を克服したい。そうフロムは言いました」
そう言ってホットコーヒーを差し出した。
「孤立感を解決するのが愛で、愛とは受動的ではなく能動的、自然に生まれる感情ではなく愛することを覚悟することだと。大切なのは、対象への『配慮、責任、尊敬、知』の4つ。与えることへの信念とそれを持つ勇気だそうです」
「なるほど、きわめて論理的ね。さすがマスターだわ」
――― カランコロン ―――
褒められて悪い気持ちはしなかった。
でも、心はちょっぴりロンリーだった。
きっと何処かでは理屈じゃないと思っているのだ。
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