第103話
今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。
いくぶん個性的な二人の客が声高に議論を交わしていた。
「駄目だ〜。もうオレのハードウェアがソフトウェアについてこねぇ〜」
『マスター、あの人なに言ってるんでしょうね?』
ヨーコくんが聞こえないように小声で尋ねてきた。
『う〜ん、体力が気持ちについてこないって意味じゃないかな?』
「ポンコツとオンボロが服着ているようなお前がよく言うよ!」
『相手の人も酷い言いようですね……』
『たぶん、ポンコツは故障異常でオンボロは経年劣化だから、
お前は身体が歳食っちゃっただけでなく、気持ちも歪んでるんだって
言いたいんだと思うよ』
『深いですね』
『考えすぎかもだけどね』
「ツンデレこそ至高!」
「いいや、金髪ツインテこそ嗜好なり!」
『あれはなに言ってるんでしょうね?』
ヨーコくんが引きつった顔で苦笑いを浮かべながら聞いてきた。
『さぁ? 視点が内か外かと言うだけで同じ様式美についてじゃないかな?』
『よく二人の思考が読めますね』
『こういう仕事だからね。試行錯誤の末だよ』
「巨乳ピンク髪はエ◯イ!」
「黒髪ロングはドS!」
『どうやらビンゴのようですよ? マスター? まさか同じ志向なんじゃ……』
『他のお客さんが迷惑そうだし、そろそろお引き取り願おうか』
――― カランコロン ―――
強制退店を施行した。
心の内で「幼馴染は負けヒロイン!」と叫んだのは内緒だ。
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