第三話 さみしさ
チュンチュン、チュンチュンと、鳥のさえずりが聞こえる。
ユナは、朝地面に新聞らしい紙が落ちているのにきずき
「えぇぇぇぇぇー!何よ。この紙、嘘だらけじゃない。」
と小声で怒っていた。
それもそのはず。
ユナは、【失踪】ではなく【家出】なのだ。
似た様な物だが、ユナは違うと思っていた。
ユナはばかだった。
ユナはいちよう王女だが、勉強の時間はいつも抜け出していた。
だから、・・・まあいえば文は読めるが書けない、知識は六歳並みだ。
外見は可愛いが、頭は空っぽ。・・・そんな彼女に恋するものは多い。
『ユナに恋した者は、城に来い』
王の命令に従い城に来た若者達は、皆王女はおしとやかと言うイメージがあったらしく
暴れん坊のユナを見て心が折れたらしく、諦めていった。
ユナがその事をしるのはいつの事だろう・・・。
―数日後―
もう秋がすぐそこまで近いてきている。
ユナはたき火をしていた。
「ふぅーさっみー・・・・・・・・・・・・もうすぐあ・・・き・・・ハ・・ハクシュン!」
ユナは寒さのあまりクシャミをした。
「大丈夫・・・で・・すか?」
と女の子の声がして、小さな布がでてきた。
「・・・・・・ありがとう・・・あなた・・・」
「あ、私ったら名乗らずに・・・ごめんなさい・・・あの美姫っていいます。」
「私は・・・」
「あ、知ってます。ユナ様ですよね。」
「え、なんで・・・しってるの」
「だって私は・・・ユナ様の故郷「聖堂儀協国」からの使い。知ってるのは当然です。」
「私は、この地で生まれた人間よ!この国から一歩も出たことがないのよ。そんな人が隣国で生まれたはず、ないでしょう。」
「あら、ゼン様に聞いてなかったんですね。あなたは立派な「聖堂儀人」です。」
ユナは、動揺しているのを隠しながら言った。
「…同盟国である「聖堂儀協国」からの使いがくるのは何かあった時だけのはず。」
「はい、そのとうりです。さすがユナ様、よくご存知ですね」
美姫が褒めてくれたので、ユナは嬉しかった。
「ここにずっといると風邪をひきます。私の家に行ってゆっくりお話をしましょう。」
こうしてユナと美姫は美姫の家へと続く道を歩いていった。
ユナと美姫がやりとりをしてる時の少し前、城ではユナ様がいない?、と女官達が騒いでいた。
「騒がしいぞ、何かあったのか?」
後ろから大きな声がしたので、女官達はぎょ、とした。
「まぁ、ゼン様…いつから?」
「さっき、用をたしに行ったら、騒がしかったからな。今来てみただけだ。」
「実は…ですね、ユナ様が行方不明で…」
「予想どうり…だな。」
「……?」
「時期にわかる。」