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ボクがお姉様と呼ばれるなんて  作者: ユーリー
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お料理って楽しい?

 翌朝、私が朝食の支度をしていると、結衣さんがやってきた。

「おはようございます葵さん。いつも美味しい食事をありがとうございます。」

「おはようございます。あ、ちょうどよかったです。結衣さん、申し訳ありませんが少しの間お鍋を見てていただけませんか?天音さんを起こさないといけないので。」

「ええ、構いませんよ。ここは私に任せてください。」

結衣さんがそう言うので私は味噌汁の鍋を結衣さんにたくして天音さんを起こしに向かった。


(結衣)

「鍋を見てて欲しいと言われたけれど、見てるだけでいいのかしら?そうだわ。いつも葵さんに任せてばかりだから私が美味しくしてあげましょうか。」


 天音さんの支度を終えてキッチンに戻る。

「結衣さん、ありがとうございました。あとは私がやりますので座っていてください。」

そして朝食を盛り付け、みんなで食べ始める。

「ねぇ、葵。この味噌汁変な味がするのだけれど何があったの?」

天音さんが話しかける。

「えっ!?ゴク。ホントですね・・・。特に変なことはしてないんですが・・・。」

すると結衣さんが口を開く。

「そんなことないですよ?ちゃんと美味しいと思いますけど。」

「いやいや!これが美味しいってそんなわけないじゃんっ!」

円香さんが声をあげた。

「あの、結衣さん。私が離れている間に何かしました?」

私は結衣さんに訪ねる。

「何かって、私はただ、せっかくなのでもっと美味しくなるように色々入れてみただけなんですが。」

すると円香さんがまた声を上げる。

「ちょっと葵ちゃん!あんたまさか結衣をキッチンに入れたの!?」

「え!?はい。ちょっと鍋の番を頼んだだけなんですけど。」

「あちゃ〜。ちょっと葵ちゃん、こっちきて!!」

そして円香さんにひっぱられ離れた場所にきた。

「いい?結衣は絶対にキッチンに入れたらだめなの!あの子味覚がおかしいのに料理したがるから私達で禁止してるの!」

「そうだったんですか。それは申し訳ありませんでした。」

「ん、まぁ私も最初に言っておくべきだったわ。」

そしてテーブルに戻ると結衣さんが話しかける。

「何のお話だったんですか?」

「いや、ちょっと勉強のことについてね。さっ、早く食べないと遅刻しちゃうわっ。」

円香さんがそう言うとみんな急いで食べ終えた。


 学園に登校し、授業を終えて昼休みになる。

いつものように円香さんと天音さんとお弁当を食べる準備をしていると結衣さんがやってきた。

「あの、よろしければお昼を私もご一緒させてもらってもよろしいですか?」

「あ、はい!もちろんです。結衣さんも一緒に食べましょう。」

すると周りからひそひそ話が聞こえてきた。

「まぁ、隣のクラスの鳳凰院様ですわ。」

「そうですね。鳳凰院様に天音様、一条様なんて素晴らしい組み合わせですわね。」

(へぇ、結衣さんって有名人なんだ・・・。)

すると遥さんがやってきた。

「あのあの、葵お姉様!良かったらはるかと一緒にごはん食べませんか?」

「ええ、かまいませんよ。せっかくですのでみなさんで一緒に召し上がりましょう。」

そして寮生揃って同じお弁当を食べるのだった。

「あの、結衣さんってもしかして料理に興味がおありなんですか?」

私は結衣さんに尋ねる。

「そうですね。料理は好きですね。でもなぜか私が料理を作るとまわりの方々が怒るんです。」

「そうですか。あの、もし良かったら私を手伝っていただけませんか?料理を1からお教えいたしますので。」

すると円香さんが小声で話しかける。

「ちょっと葵ちゃん!今朝の話聞いてたの!?」

「大丈夫です。私が一から見張っていれば変なことにはなりませんから。」

小声で返答する。

「葵さん、よろしいのですか!?私がキッチンに入っても?」

結衣さんのテンションがあがる。

「そのかわり絶対に私の言うとおり行動してくださいよ?」

「わかりましたっ!料理ができるのなら私がんばります!」


 そして翌朝。

「おはようございます結衣さん。すみません、こんな朝早くから。」

「いえ、大丈夫です。お手伝いさせていただけるなら早起きくらい。」

二人でエプロンを付け料理の準備をする。

「それで、ボウルに卵を3つ割り入れてください。あっ、角じゃなく平面で割ったほうがいいです。」

結衣さんに教えながら料理をしていく。私が言った通りに結衣さんはしっかり作業している。

「フライパンの火加減はまだ結衣さんには難しいのでまずは見ていてください。」

私はそう言うと、いつものようにオムレツを焼く。

「葵さん、すごいですね。あんな簡単にオムレツをひっくり返せるなんて。」

「まぁ、コツを覚えたら結衣さんにもできるようになりますよ。」

そして私が監修しながら朝食が完成した。ちなみにお弁当は結衣が来る前に完成させていた。

みんなが席につき、朝食を食べ始める。

「あ、普通に美味しい!結衣が手伝うっていうからどうなるかと思ったわ。」

円香さんが話しかける。

「そんな、私だって頑張ればちゃんとできるんですぅ!」

「結衣お姉様、とても美味しいのです!」

そして朝食を終え、学園に向かう。その途中、結衣さんが話しかけてきた。

「葵さん、ホントにありがとうございます。私とても嬉しいです。今まで料理をしたくてもさせていただけなかったのが、葵さんのおかげで前に進むことができました!私、これからがんばりますのでビシバシ教えてくださいね?」

「ええ。私も結衣さんが料理できるようになれば助かるので頑張って教えますね。よろしくお願いしますね。」

「はいっ!」

そんな会話をしながら学園に向かった。


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