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II

ここはどこだろう、呑気に顔を上げ辺りを見渡そうとするが身体中が痛くて身体を起こすのに時間がかかる。

ゆっくりと脳に先ほどまでの光景を思い出す。

僕が何をしていて何を食べていたのか

ゆっくりとゆっくりとしてきた事を理解する。

が吐き気がする事はない、頭痛はしない。

それらが当たり前のように僕の脳たちが受け止めている。

当たり前じゃないのに、非現実的なのに脳が理解しているにも関わらずそれを現実と大差ないと、日常的にある事だと思い込んでいる。

手をグーパーさせながらゆっくりと起き上がる。

身体が痛いが動けないほどではない。

辺りを見渡し場所が変わってない事を感じ、空を見て太陽がまだ登っているのでそこまで時間が経ってないことがわかる。

生きる為に歩かなければ。暗くなればそれこそ終わりである。

一人でも身体が痛くて痛くて挫けそうでも、生きる為に動き続ける。

それだけを胸に歩く為に一歩を踏み出す。向かっている方向は森。

あっちに歩けば何かが有るかも知れない。見渡す限り草原が続くよりは良いと考えながらゆっくりと進む。

あそこまで何時間かかるんだろう。

僕はせめて身体が回復してくれればなと思いながら身体を引き摺る。

遠すぎる。焦る心に狭む視界、心臓はビクビクしていて、喉元が締め付けられる。

いつまで歩き続けれるだろうか、僕の精神は徐々に擦り切れていく。

意識していないだけで周りからは動く音、獣の叫び声。上空では何かが飛んでいる。

辺りも見渡す余裕が無いまま、前だけを向いて歩く。

(こんにちは、はじめまして)

遂には幻聴まで聞こえはじめた。

この辺りが限界だろうか、目元を押さえながら歩く

(アクジキさん大丈夫?)

アクジキさんとは誰のことだろうか、もし僕の事なら見て分かるだろうと、死にかけている状態が大丈夫なら医者は儲からないだろうと独り言を声に出すことなく思う。

(確かにね、大丈夫じゃないのは見てわかる)

僕は幻聴と会話して大丈夫だろうか、頭がおかしくなっていくのを感じる。

それを振り払うように痛みに耐えながら体に力を入れる。

(オイラはね、妖精だよ。見えないから信じれないだろうけど)

幻聴と会話は続く、声に出さなくても妖精とやらには聞こえるみたいだし、体の痛みにひたすら耐えるよりも考え方をしている方が心が休まる。実際には休まってないんだが。

というか異世界で妖精なんだろう?回復魔法くらいかけてくれても良いんじゃないのか?

いきなり変なところに連れてこられてチートも無しで町もなくて生きるか死ぬかの状況で一人で会話し始めて

僕は何をしているんだろう

(オイラは回復魔法使えないんだよね。君は使えるみたいだけど、早くスキル振りなよ)

回復魔法が使えない妖精とか何なら使えるんだろう。

僕が使えるなら使ってるさ、わざわざ痛いのに耐えながら歩くわけないじゃないか

スキルを振るってなんだ、サイコロでもあるのか、振り方を教えろ、僕はもう無理だ、歩けない

遂に立ち止まってしまう。それと同時に膝が勝手に動き、座ってしまう、こんな所に座っていたらいずれ獣が何かに喰われてしまうだろう。

(僕に教えてと言ったね?契約完了だよ、対価は君の…魔力でも食べようかな、僕は優しいからね)

優しい奴は対価を求めないだろうと思いながら、これは日本人的考えなんだろうかと思ってしまう。

(対価が少ないだけ感謝してよ、これだから異世界人は)

異世界人?こっちからすればそっちの方が異世界人…いや異世界妖精か、よくわからない。

(さ、早くしてしまおうかな?そろそろオイラも去らないと危なそうだしね)

僕も連れてってほしいんだが無理なんだろう。それより早く教えてくれ、都合がいいように最後くらい会話させてくれ

(そうだね、さ、僕の言った事を復唱して)

「(ステータスオープン)」

自然と口が動く、昔から言ってきた様に

そして幻覚がぼやっと見える、

何やら僕の名前と年齢、書いてある事は日本語じゃなくて読めないがなんとなく意味が理解できる。

体力に精神力、魔力、力、硬、運、そして

(アクジキ)

そう読み方を教えてくれる

これはジョブって奴らしい、他にもスキルで精神体制だったり今は詳しく見えないがとりあえずある。

(お前は魔力がなぜかあるから回復魔法に振ればリザフくらい使えるだろう。)

回復魔法に振る?わからないが回復魔法が欲しいと探していると

スキル[回復]と[魔法力小]の派生型

スキル[リザフ]を覚えました

スキル[聖歌]を覚えました

聖歌と共にリザフを

声が出ないが心で念じる

聖歌なんてわからないが脳に直接流れてくる、昔から知っていた様に声は出ないが口が動く。脳に勝手に声が流れてくる

自然と体が軽くなる

僕は徐々に聖歌が、激しくなっていくのを感じたと共に口を動かすのをやめれない

静止する声が聞こえるが何も聞こえないフリをする

楽しい、体が軽い

自然と声が出る

口を楽しく動かす

動きがつく

やっべ言うの忘れてた

止め方なんてわかんねぇよなぁ!

オイラまた失敗しちまった。

んー完全にやらかしちまったな、魔力貰った手前、ほっといて死なれても困るし、魔力切れかー体は治ったし大丈夫だろう、周りの獣も煩いし早く魔力回復してくんねぇかな…

スキルキャンセルの仕方と魔力切れを教えて帰るか!

数時間後起きてきたアクジキにオイラはスキルキャンセルと魔力切れとその他生きるための事を教え別れの挨拶を告げる。

アクジキくん頑張れよ

オイラは応援してるぞ

君がこの世界を壊す事を

たった一匹の悪魔として

大賞に間に合わないだろうなぁ…

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