◇4死がふたりを分かつまで
王子と公爵令嬢は結婚する運びとなりました。
公爵令嬢付きの侍女は優遇するという話でほぼ軟禁することになり、彼氏の方も監視が付いています。
性犯罪者が王家の恩人など醜聞に堪えません。
王子は結婚を機に次期国王として王太子となり、公爵令嬢は王太子妃となりました。
子供も無事生まれ、皆が喜びます。
それを機にとある法律が施行しました。
体重制限です。
王侯貴族に対する裕福の象徴、肥満。
このことが問題となっていることは王太子たちのことで王家も把握しました。
それで他の貴族たちを調査したのです。
そして問題が王家だけでなく、あちこちに存在したことが発覚。
婚姻が上手くいったところもあれば、破局した事案もあったとか。
このままでは良くないと皆が話し合って法律を作成したのです。
しかし、猶予はあります。いきなり痩せろと言われてもノウハウがありません。
しかし今の世代のこれから生まれる子供たちには体重制限が掛かります。
問題は今の肥満の貴族たち。
それで王太子たちの方法を伝達し、王家主導で結婚を指導していきます。
それによって王家は貴族たちに有利に働きました。
ここで気づいたでしょうか。
王太子は未だに童貞なのです。子供ができ、父親になったのにも関わらず。
そして今の貴族たちもその男性の多くが童貞のままだったのです。
この王国のこの世代には多くの魔法使いが生まれました。豊作です。内緒ですが。
魔法使いの会が開かれ、多くの貴族の当主が王家と手を取り、王家はますます盤石となったそうです。
この者たちは浮気もままならないため、尚更王家にはその婦人たちも良い顔をみせます。
ただこのアイデアの元が性犯罪者なのはいただけません。
彼氏の方が大きくなり、結婚させて一緒に幽閉しています。
王太子付きの侍女も結婚しました。
相手は王家の侍従です。
猛烈なアタックの末、落としたのでした。
三人目です。離婚はしていません。
死が二人を別つまで、彼女は愛し続けます。
しかしなぜか彼女の夫たちは変態扱いです。
白髪の似合う侍従たちは何故かベッドで永眠されたのでした。急激に痩せて亡くなったそうです。
他界する前には貴族たちからそのダイエットの方法を訊かれていたらしいのですが、それは謎のまま。
高齢だったから仕方がないのかもしれません。
でも今度は若く、髪はグレー。そこそこぽっちゃり。
その脂肪が彼女を別つことはありません。髪に交じる白きものが彼女を惹き付けます。
それでもなぜか浮気を勧められて困っているのでした。
NTR属性だからとか侍女の夫は言っていたらしいが、侍女は一途です。
そうして彼女たちの距離を阻む旦那のお腹の脂肪は徐々に撃退されていきます。
それほど激しい運動を旦那さんは連日、強制されているそうでした。
侍女の夫は遺言状を残します。
宛先は妻ではなく、次の夫へ、となっています。
それの内容は……
――犯人は妻――
最後、短くなったので構成を弄って話を盛ったらミステリっぽくなっちゃった……