◇3令嬢からの婚約破棄返し
――第二回緊急家族会議――
議題『公爵令嬢からの婚約破棄について』
王家・公爵家の両家合同で開かれています。
何があったのかの状況報告がそれぞれの侍女からなされました。
公爵令嬢付きの侍女からの話では、公爵令嬢は鉄壁の乙女なのだそうです。
普通の男性では彼女を襲っても、その肉の壁によって届かないらしい。
それを理由に公爵令嬢を説得する公爵家の人々。
しかし問題は他にあります。
このままでは性交渉が行えない。これは非常にまずい状況です。
子孫繁栄には性交渉は欠かせません。王侯貴族には子孫に継承していく義務があるのだから。
さて、どうするか。対策の相談が引き続き行われます。
皆で相談するもいい案はなかなか出てきません。
かといって他の人間に相談することも叶いません。
養子を貰うというような案は出ても、子が出来ないわけではないのなら却下されます。
二進も三進も行きません。
ここで公爵令嬢付きの侍女が爆弾を落とします。
「これを使ってみませんか?」
彼女は手にごつくて長いモノを持っていました。それは大人の玩具でした。
かなり凶悪な姿をしていますが、何故そんなものがあるのかと訊くと彼女の私物だそうです。
その解答を得た全員が思います。それが何故この場にあるのか、という謎の答えにはなっていない、と。
そもそもこれでは子孫繁栄の解決策にはなっていません。
しかしそれには代案が用意されました。ディルドーの先に王子から採取された精子を注射する機能を付ければ良い、というもの。ただし今回は不要。
それには全員が納得しました。
この後も話し合いは続き、しかし代案がなく、この案で採用して話を詰めることになります。
三度、王子と公爵令嬢は向き合っています。
部屋の中にはいつもの四人。王子、令嬢、王子付きの侍女、令嬢付きの侍女。
ベッドの上で裸の二人。それを監視する侍女二人。
前回、前々回と同じ構図。
王子は公爵令嬢に近づきます。
しかしここからが違いました。王子の手には王子の大きさに合わせたモノがあります。
双方横になり、手で相手のを触ります。いえ、触ろうとしました。
両者ともに肉の壁に阻まれて困惑します。
婚約破棄に至った原因。かなりの強者です。
腕で肉の壁を退かそうと苦心しますが、なかなか上手くはできません。
理由は自身の腕にも肉の壁があることです。
このままでは同じ轍を踏むことになります。
そこで侍女たちに応援を要請。
侍女たちは王子たちの腿の肉を持ち上げ、行為の手伝いをします。
王子たちは多少の問題はありましたが、なんとかなりました。現在は疲れてお休み中。
問題とは王子が血に驚いたり、令嬢の顔にかかったり、ということです。
それぞれが多少取り乱したりということでしたが侍女たちが宥めてなんとかなりました。
侍女たちは王子や令嬢の世話の話で盛り上がっています。
まさか同意得られるとは思っていなかった話題でしたから。
例えば、お尻の割れ目を拭いている時にオナラのガスが脂肪に包まれて開いた時に炸裂、とか。
トイレで便器を潰してしまった話とか。
こんな話、他所では出来ないため、共感を得られる機会は存在しないと諦めていたのに同じ境遇の人がいた、と二人の侍女はその距離を縮めたのでした。
そして王子付きの侍女は令嬢付きの侍女が何故、家族会議で凶悪なモノを持っていた秘密を得ます。
彼女の、彼氏のモノが凶悪でした。彼女は彼氏の裸の写真を持っていたのです。
それに慣れるために常に入れているそうでした。
つまりアレは使用中のモノだったということが分かったのです。
それよりももっと重要な秘密を手にしてしまった王子付きの侍女。
それは令嬢付きの侍女の彼氏が、幼かったのです。
性犯罪者がいます。しかも王家の恩人になっちゃいました。
良かったのでしょうか?
と悩むのを止めて、両陛下に相談することにしたのでした。