◇1王子のえっちは監視付き
とある王子付きの侍女がおりました。
その王国は裕福さを表すのが肉の厚み、体重です。その象徴である王子は当然肥満、いえ太い、もとい大きな体格をしております。
王子はそんな体格であるため、一人ではいろいろと大変で、侍女が世話をしていました。
例えば、王子が小用をするときもトイレに付いていき、まずはお腹の肉を台に乗せ、ズボンを降ろして侍女が準備が出来たら王子に声を掛けて用を足す、という具合。お尻を拭くにも手が届かないため、侍女の世話が必要です。
他にも足元も見えないために階段の段差を侍女に教えてもらったりと挙げたら切りがありません。
王子だけではなく、この王国の王侯貴族の子弟には付き人は必須なのです。
これは無駄のように見えますが、雇用の機会が増えるというメリットもあり受け入れられていました。
しかし王侯貴族の付き人には信頼を得ると他にも重要な任務が課せられます。
遺伝子の管理という仕事でした。
浮気は当然、火遊びなどで貴族からお金を請求するような事件が多発したための措置として監視がつくことになったそうです。
現代ではDNA検査なので特定されるため誰の子なのかは確認は行われますが、それが今度はアダとなって精子だけあれば行為を行わなくても子供が作れ、強請れることから採精を狙うという事件が発覚し、その対応の必要性から常時監視が着くという結果になりました。
王侯貴族では一人エッチも監視付きとなります。
でも王子付きの侍女はその心配はありませんでした。
王子は一人では手が届かず、床オナなどもお腹の肉が防ぎます。
ですから起床時の夢精の処理、風呂での他の付き人の行動の監視が主な仕事でした。
しかし今日から新たな仕事が王子付きの侍女に増えたのです。
王子が婚約したから仕事が増えたのでした。お相手は公爵令嬢です。当然裕福なため巨乳でした。それ以上にお腹が大きいです。でも王子は彼女以上の巨乳で、それを超えるお腹をしていました。
侍女は自分の胸を確認しますが、羨ましいとは思っておりません。
昔と違い、今時婚前交渉など当たり前のことです。
それでも外聞があるために結婚前に子供などはもっての外。
また令嬢の付き人に対しても王子の精子を奪われないように監視する必要があるのです。
王子と公爵令嬢は幼馴染で恋愛でした。
もちろん政略の意図はあるのでしょうが、平民と違い護衛も兼ねる付き人がいるため学校の教室では王侯貴族が固まり、少人数でいつも一緒にいれば恋愛感情も抱くというものでしょう。
平民との違いも体格が大きいために机や椅子が特注ということも教室が区別される一つかもしれません。
公爵が零落することもなく一緒にいたために婚約ということになったのでした。
そして今王子と公爵令嬢は向き合っています。
部屋の中には四人だけです。王子、令嬢、王子付きの侍女、令嬢付きの侍女、の四人。
ベッドの上で裸の二人。それを監視する侍女二人。
王子は公爵令嬢に近づきます。
王子付きの侍女はササッとゴムを王子の股間に装着。
そして……
ポヨン。ポヨンポヨン。
接触しますが、巧くはいきません。
しかし王子と令嬢は微笑み合います。
ポヨヨンポヨヨン。ポヨンポヨン。
王子は頑張ります。それを阻むはお腹の肉。
王子のお腹と令嬢のお腹が波打ちます。
ポヨ~ンポヨーン。
時間だけが過ぎました。行為が不成立です。
沈黙が部屋を包み込みました。
王子の笑顔と令嬢の笑顔が固まってます。
両者のお腹がぶつかって、届きませんでした。
最後にキスぐらいしようと裸で二人密着して抱き合います。
その手は背中へ回りません。当然キスもお腹の肉が阻みました。
双方の顔が青褪めます。
王子と令嬢はベッドの端に座り、沈鬱な表情を浮かべて黄昏ました。
王子が静寂を破り、破局を告げます。
「僕たち、別れよう」