表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/100

(91)雨の日

 雨の日は晴れたあと、当然、やってくる。『ああ、雨か…』とショボくなる人もいれば、ニヤけて、『へへへ…雨か! こりゃ今日は休めるぞっ!』と北叟笑ほくそえむ人もあるだろう。雨の日はどこかしっとりとした感がして、静かな風情が漂う。一方、晴れた日は心がウキウキした明るい気分が訪れる。まあ、どっちでもいい訳だが、行動的には雨の日は敬遠されがちだ。運動会や遠足に雨の日は不似合いで、お呼びがかからない。間違って降ろうものなら、てるてる坊主にこっぴどしかられることだろう。^^

 とある公民館の一室で俳句同好会が開かれている。同人、二人の会話である。

「一句、出来ました…」

「どれどれ、拝聴いたしましょうかな…」

「━ 五月雨を 集めて沸かす 飲み水や ━ どうです?」

「…どこぞで聞いたような?」

「ははは…雨の日ですぞ。気にしない気にしないっ!」

「雨の日?」

 意味不明な返しにまれた同人どうじんは首をかしげた。

「雨の日は、何でもあり! ということで。ははは…」

 ふたたびの意味不明な返しに、詠まれた同人は『俳句ですかな?』と、心でたずね、苦笑した。

 二人のやり取りなど知らぬげに、それでも雨はシトシトと降り続く。

 俳句の出来がどうであれ、雨の日は何でもありのようである。^^


                  完


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ