(90)人生
何もすることがない空虚な時間が出来たとき、ふと人生を考えることがある。子供の頃や青年、壮年時代はそんなことはまずないだろうが、年を重ねるようになると、頓にそんなことが増えるようになる。そして、ボケェ~っとして、気づけば今、やろうとしていたことを忘れている・・といった塩梅だ。忘れたことで、ボケの始まりか…と思え、ゾォ~~っとするが、それでも生き続けねばならないのだから、人生は辛い。^^ よ~~く考えれば、人生は人それぞれで、その人にはその人の人生がある訳だから、どういう人生を歩もうと、他人がとやかく言う話ではない・・という結論に至る。泥酔して鼻糞を穿りながら最終電車に乗り遅れたサラリーマンがホームのベンチで眠ろうと、他人がダメだっ! とは言えない話と似ている。まあ、汚いから鼻糞は余り穿らない方がいいとは思うが…。^^
何十年かぶりに、昔、親しかった旧友同士が、路上でバッタリと再会した。
「おおっ! これはこれは、海老尾さんっ!!」
「やあっ!! 奇遇ですなっ!! 蟹崎さんじゃありませんかっ!」
「聞くところによれば、大層なご出世だそうでっ!」
「ははは…お恥ずかしい。たかが会社のトップになったというだけのことですよ、海老尾さん」
「いやいや、蟹崎さん。フツゥ~の者ではそうは参りませんぞ。いい人生でよろしゅうございましたなっ!」
「海老尾さんこそ、多くの家族に囲まれて、幸せにお暮らしだと誰ぞにお聞ききしましたが…」
「いやいや、お恥ずかしい。そちらだけ達者です、ははは…」
蟹崎は単身で会社経営に成功し大富豪となり、海老尾は普通の暮らしながらも家族経営に成功し、大家族となっていた。さて、皆さんは、どちらが幸せだと思われるだろうか?^^
人生の幸せをどう考えるか? は、人それぞれ・・ということになるだろう。勇気が必要なのか? は分からない。^^
完