表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/100

(69)勝ち馬に乗る

 勝ち馬に乗る・・というたとえがある。勝った人に付き従った方が利がある・・という単純な判断で人が勝者になびくことを指す。冷静に考えてみれば、おおよそ人は勝ち馬に乗りやすく、負け馬は蹴飛けとばすくらいで見向きもしないものだ。^^ 良し悪し・・ということではないが、残念ながらそれが人の本性ほんしょうのようである。負けた側や人にそれでも付き従う人は心からその人を信奉しんぽうする人で、いわば精鋭である。単純に靡く人は烏合うごうしゅうと呼ばれ、まったく当てにはならない。

 とある競馬場で出走前のパドック[競争馬が一般観衆に、どうよっ! とばかりに歩く姿を見せるための場所]で、競走馬がパカポコ…と歩き回っている。その姿を大勢の観客が見守る。

「あのハゲワシホープ、なかなか調子がよさそうですなっ!」

「いやいや、私ゃ二頭後ろのコンドルスカイと見てるんですがねっ!」

「いやいやいや、そうじゃないでしょ! 尻尾しっぽの振り具合からしてその後ろのインカっ! これで決まりですっ!」

 ダメを出された二人は、尻尾の振り具合で見るんかいっ! とは思ったが、思うに留め、愛想笑いで流した。

 しばらくして重賞レース、チチカカ特別が恒例のファンファーレとともに幕を開け、尻尾の振り具合が良かったインカの完全制覇で終結した。

「ははは…実は私もそうなんじゃないか…と思っとったんですよっ!」

「そうそう! 私もですっ!」

 二人は絶対、来ないっ! とは思っていたが、それでも1枚だけインカの馬券を買い、スゥ~っと、いつの間にか勝ち馬に乗っていた。

 このように、勝ち馬に乗るのは、それでも…と保険をかける弱含みな心の人に多いようだ。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ