表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/100

(38)ど~~でもいいこと

 人とは困ったもので、ど~~でもいいことでも一度ひとたぴ気になり固執こしつすると、何がなんでもやってしまわなければ気が済まない生き物なのである。しかし、そういつも上手うまくやる機会があるとは限らない。それでも気になるのが人だから、なんとかやろうとする。重要なことならまだしも、ど~~でもいいことでも、である。^^

 とある一般家庭の日曜である。どういう訳か、朝から兄のつとむが物探しをしている。

「困ったやつだっ! あんなもの、ど~~でもいいじゃないかっ!」

 昼から草野球の練習があるから、これから予習を済ませておこう…と考えていた矢先、努は妹の深久みくに、とあるモノを返して欲しいといわれたのである。それは去年の秋、深久が作った一枚の押し花だった。上手うまく出来たからか、自慢げに「お兄ちゃんにもあげるっ!」と、くれた押し花だったが、お友達が欲しいと言ってるから返して欲しいと言われたのだ。最初は、「ああ、いいよっ!」と安請け合いをした努だったが、よくよく考えてみると、どの本にその押し花をはさんだか? が分からない。で、朝から物探し・・をする破目はめになった訳である。

「ないなぁ~~!」

「んっ、もうっ!! なんとか探してねっ!」

「ど~~でもいいじゃないか、押し花なんてっ!」

「そうはいかないわ。お友達と約束したんだからっ!」

「どこかへいった・・って言えばいいだろっ!」

「ダメよっ! 私にもプライドがあるからっ!」

 深久は一歩も引かない。

「兄ちゃんなっ! 昼から練習があるからさぁ~。昼まで予習、やっときたいんだ…」

 努はにわかに弱音よわねを吐いて引いた。こういう場合、引いた側は大よそ負ける・・としたものだ。案に相違せず、努は深久に負け、午後も探させられる破目となった。当然、草野球の練習を休ませてもらうむねの電話をしてから、である。

 このようにど~~でもいいことでも、それでも…と意気込めば、手間取る場合が多々、あるのだ。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ