(35)工夫(くふう)
何かをしようとしたとき、その場に必要な道具や物がない場合、ホモ・サピエンスである高等な頭脳を持つ私達人類が、そこにある物でなんとかしよう…と考えるのが工夫という所作である。いつも必要なものがその場にある・・などという上手い話はこの世にはなく、そうは問屋が卸さないから、直売場まで買いに出向く・・などという必要はないが、^^ それでも、困ることにはなる訳だ。
とある草原である。春の陽気に誘われ、二人の学生が弁当を食べたあと、草を枕に寛いでいる。ところが、一人の学生が俄かに腹具合を悪くした。
「おいっ! 大丈夫かっ!!」
「ははは…ちっとも大丈夫じゃないっ!」
「それにしては余裕だなっ!」
「ははは…コレがあるっ!」
腹具合の悪い学生は、バッグから折り畳みショベルを取り出した。
「キャンプ用具かっ!」
怪訝な表情でもう一人の学生が訊ねた。
「ああ、これで工夫するさ。それじゃなっ!!
腹具合が悪い学生はショベルを手に草叢へと消えた。
賢明な読者諸氏なら、もうお分かりだろう。^^ ・・の、あと処理である。持ってきた物は持ち帰るのがエチケットだが、そう出来ない場合は、なんらかの工夫をしなければならない。^^
完