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(25)何もしない日

 ボケェ~~っと何もしない一日があってもいい…とは思える。だが、それでも腹がけば、食事を否応いやおうなく取らなければならない。すなわち、何もしない日というのは、動物の場合、100%実現しない・・ということだ。眠っていたって無意識のうちに呼吸はスゥ~スゥ~、あるいはグゥ~グゥ~、はたまたガァァ~~!、グガァ~~!! などとやっている訳だ。他にも寝ごと、歯ぎしりだってある。^^

 残業続きのとある省庁である。国会審議の矢面やおもてに立たされた担当部署の係官は答弁書の作成に疲れ果てていた。見かねた主席の係官がデスクでウトウトする係官の肩を軽くたたいた。

「君、もういい。私が変わるから帰りなさいっ!」

「しかし、この質問の場合の答弁書が…」

「どちらにしろ、違う質問が飛ぶんだから切りがないっ! 局長が答えられるだけの資料は私が準備しておくから…」

「そうですかぁ~? それじゃ、お言葉に甘えて…。実はここ一週間、続いてまして、疲れてるんです。助かります」

「ああ、毎日見てるから、君が疲れてるのは分かってるよ…」

「しかし、予算審議は進めて欲しいものですよね」

「ああ、予算委員会で予算審議を何もしない日というのも、いかがなものか・・だな。後日ごじつ、理事会で協議してもらいたいものだよ、ははは…」

 主席の係官は、議員の言い回しを真似まねた。

せいも政、かんも官、ざいも財ですか?」

「馬鹿を言っちゃいかん! 官は私らじゃないかっ! ははは…」

「ははは…そうでした」

「次の日曜は何もせず、ゆったりと休みなさいっ!」

「はい、有難うございますっ! 何もしない日にします」

「何かはするだろうがね、ははは…」

「ははは…。それじゃ、お先に…」

 係官はデスクを消灯し、席を立った。

 何もしない日というのは、思った以上に難しいのである。^^  


                  完

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